2011年09月12日 08:34

五代ゆう「アバタールチューナー検彳瀕察とても面白い優れたノベライズです。五代ゆうさんにメガテンの小説書いて欲しい!!

アバタールチューナー (クォンタムデビルサーガ)

アトラスの女神転生シリーズの一翼を担うゲーム「アバタールチューナー」シリーズをノベライズした五代ゆうさんの小説「アバタールチューナー検彳瀕察いやあ、面白くて衝撃的な展開、実に楽しめた小説でした。今まで読んできた四冊機銑犬涼罎念貳嵬滅鬚ったですね。AI(人工知能)として仮想世界ジャンクヤードに暮らしていた主人公サーフ達が、ジャンクヤードの崩壊と共に現実世界に移動して(彼らはAIなので、現実世界にAIを搭載できる素体があれば現実世界に移動できる)、そこから始まる苦難の戦いを描いていますが、女神転生シリーズの特徴である、大破壊、全人類的カタストロフィによって人類文明が崩壊した後の世界の描写が、最高に上手い。

真・女神転生シリーズの主たる舞台は人類文明崩壊後の東京ですが、本作「アバタールチューナー」においては人類文明崩壊後のニューヨーク、ワシントンが描かれます。本作におけるニューヨーク、ワシントンは、真・女神転生シリーズの大破壊後の東京ミレニアムとちょうど重なるように描写されているのですが、これが素晴らしく上手い。本作においては、遺伝子による選別によって選ばれたエリートのみを救済して地上に煌びやかな施設を建て、それ以外の人間を虐殺して食料にするロウ陣営たるカルマ協会が本部ワシントンを中心として世界を支配しており、地下に隠れ住んでそれに対抗する(というか力の差がありすぎてほとんど逃げることしかできない)コロニー地下住人と抵抗組織のカオス陣営も存在する。これはちょうど、真・女神転生兇痢▲蹈陣営のセンターが東京を支配し、地下に隠れ住むカオス陣営のミュータント達がそれに抵抗する構図をそのままアメリカに持ってきているのですね。五代ゆうさんも明らかに、真・女神転生のロウ陣営・カオス陣営を意識しながら描いていて、アメリカ版真・女神転生兇箸靴篤匹爐海箸皺椎修任后A瓦の異世界を舞台にしたような作品に比べると、アトラスの多くの作品は女神転生シリーズを中心として、現実世界と地続きの近未来を描いているので、感情移入がしやすいですね。現実世界と全く異なる異世界の謎の地名より、東京、ニューヨーク、ワシントンなど実在の場所が舞台である方が、身近に感じられて、物語の情景も映像イメージとして胸中に浮かびます。

本シリーズ、ゲーム以上に上手く展開を進めていて、特に本巻の最後は衝撃的ですね。あと一巻でおわってしまうことが惜しくてしょうがありません(本作は全五巻完結)。魅力的なアバタールチューナーの世界にいつまでも浸っていたいと思わせてくれるとても優れた出来映えです。また、本作の描写は、ゲームのノベライズとしては抜群に素晴らしい。僕の知る限り、これまでのゲームノベライズにおける最高の出来と思います。これは、五代ゆうさんが力量のある作家さんであるということは勿論ですが、それだけでなく、五代ゆうさんが元々ゲーム好きのゲーマーであり、なおかつメガテンシリーズのファンであり、ゲームの「アバタールチューナー」シリーズの原案を作ったのが五代ゆうさんであるということが、素晴らしくプラスに働いたのでしょうね。

僕はゲームノベライズでは久美沙織さんのドラゴンクエストノベライズシリーズが好きなのですが、今回アバタールチューナーを四巻まで読んで、やはり、ゲームのノベライズにおいて作者さん自身がゲーム好きであることはとても重要だ、優れた力量を持つ上にゲーム自体に造詣の深い作家さんが自身の愛好するゲーム作品をノベライズすると、それは力の篭った素晴らしい出来になると改めて感じました。久美沙織さんも五代ゆうさんもゲーム好きで、自分の好きなゲーム(五代ゆうさんの場合は自分が製作に携わったゲーム)を小説化した訳で、ゲームの世界観の深みの理解というものが確りと感じられます。

昔から、小説家の宮部みゆきさん(物凄いコアゲーマーで有名、タクティクスオウガの大ファン)にタクティクスオウガのノベライズを書いて欲しいということは言われておりますが、それだけではなく(勿論、僕も宮部さんのタクティクスオウガを読みたい一人です)、ぜひ、五代ゆうさんに、アトラスゲームの総本家である本家メガテン、真・女神転生シリーズのノベライズをやって欲しいなとアバタールチューナーを読んでいて、心から思いましたね。先にも書いた通り、五代ゆうさんはいつまでのその世界に浸っていたいと感じさせる世界観の描写が実に見事で、それがメガテンライクとくるとメガテンファンとしてはもうたまらないです。ぜひ、この筆で本家メガテンをノベライズして欲しいと思いましたね。

ゲーム、特にRPGはプレイに時間がかかる為(RPGはクリアするまで何十時間も掛かります)、ゲームのノベライズにおいては、ゲームをプレイしていない小説家さんが、出版社・ゲーム会社から渡されたゲーム資料だけでノベライズを書くことが多く、実際にゲームをプレイしたプレイヤーとしては首を傾げざる得ない作品になっていることが多々ありました。また、これはゲームに限らず映画などの他のノベライズにも言えることですが、ノベライズ(原作付き小説)は、原稿料が普通の小説より安く抑えられているので(原作者のロイヤリティ取り分が入るため、出版社が原稿料を安くする)、実績のない小説家さんに任されてしまうことが多く、それがノベライズ自体の品質低下に残念ながら繋がっていたところもあります。しかし、五代ゆうさんの小説版アバタールチューナーは、書き手として優れた力量を持つゲーム愛好家の小説家さんが、ちゃんと最後までプレイしてクリアした、自分の好きなゲーム作品(五代ゆうさんの場合はゲーム製作者でもある)をきちんと小説化すれば、それはオリジナル小説と比べても些かも見劣りすることのない、優れた魅力あるゲームノベライズとなるのだということを、きちんと証明してくれたと感じますね…。こういったゲームノベライズが沢山出てきてくれたら良いなあと心から思います。

こう言うと何ですが、私はハッピーエンドが好きです。そして自分の書く物語の終わりもハッピーエンドにするのが好きです。ただし私のハッピーエンドは、「登場人物たちみんなが納得して選んだ終末」ということを意味します。なので、時には端から「えっそれ違う」と言われることもありますが(笑)、この物語に関しては、最終的にちゃんとみんな本当の意味で幸せになってくれるよう、作者の私も望んでおります、というか、祈っておりますので、読者の皆様方もどうぞ、彼らの行く末をしっかりと、見守っていていただきたいと思います。(中略)

それではすべての終末であり、ゴールとなる十月の第五巻の巻末で、またお目にかかれることを楽しみにしております。
(五代ゆう「アバタールチューナー検弸郤垳綵颪)

ああ…。十月で、この魅力的な世界が終わってしまうと思うと、今から胸にぽっかりと木枯らしが吹くようです…。僕個人としては、出来たらこのアバタールチューナーシリーズをずっと続けて欲しいですが、元々全五巻で構成されている以上、そうも行きませんね…。シリーズが終わることに、楽しみであるとともに、寂しさを感じます。こういった感慨を持たせてくれるシリーズ小説は、稀にしかない貴重なもの、僕にとってかけがえのないものですね…。

本作小説版「アバタールチューナー」、原作ゲームをプレイしていなくても十二分に楽しめる作品です。メガテンシリーズの一翼を担う小説としても、超人への変身物SFとしても、カタストロフSF小説としても、全く新規作品として楽しめます。原作プレイヤーだけでなく、SF小説好き、ファンタジー小説好き、メガテン好きにはぜひにご一読お勧めですね。一巻から読み始めたらぜひ四巻まで読んで欲しいです。四巻最後の衝撃は、これまで一巻から読んできた貯めが一気に驚きと衝撃に転じるカタルシスがありますよ。

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー (ハヤカワ文庫JA)
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