2011年08月21日 18:05

本屋さんでユリイカの涼宮ハルヒ特集立ち読みしてきました。坂上秋成氏のメタ・ハルヒ論が良かったですね。笠井潔氏の論はダメ過ぎる…。

ユリイカ2011年7月臨時増刊号 総特集=涼宮ハルヒのユリイカ! The girl greatly enlivens the criticism!

図書館で烙印の紋章3、4、5巻と這い寄れニャル子さんの6巻を借りてきました。余談ですが、僕はお金なくて本は買えず、図書館は新刊がすぐには入らないため、シリーズ物ラノベの場合、大体は今回のニャル子さんのように最新刊の1、2巻前ぐらいを読んでいくペースです。アバタールチューナーの4も早く読みたいけど、読めるのは当分先になりそうです…。閑話休題。図書館からの帰り道、本屋さんに寄ったら、ユリイカでハルヒ特集が組まれていたので、頑張って全部立ち読みしてきました。一時間半くらい立ち読みしていたので、疲れた…。本屋さん、長い間立ち読みして申し訳ない…。

ユリイカのハルヒ特集、アニメ雑誌のハルヒ特集などとは全く違う、大勢の論客によるハルヒ論文集ですが、考察としては、坂上秋成氏の論がずば抜けてよかったですね。逆に一番酷かったのが笠井潔氏の論。思わず「これはひどい…」と口の中で呟いてしまいました。論文寄稿者の中では笠井潔氏が一番のビッグネームですが、高名であることと実力は別々のものであることもあるようです…。笠井潔氏の論は、このようなものでした…。

『ハルヒは限界状況(危機的状況)の表れであって、世界の限界状況を表している。ハルヒはメルトダウンした福島第一原発であり、長門有希、朝比奈みくる、古泉 一樹は各国から派遣されたIAEAの監視員であり、キョンは原発の破滅的事態を防ぐため汚染水にまみれながら働く現地作業員である』(笠井潔)

………(呆然)。本屋さんの中で本を取り落としそうになるほど呆然としました…。開いた口がふさがらないとはこのことか…。ユリイカの読者層はハルヒについて何も知らないか、名前を聞いたことがあるくらいで作品を読んだり見たりしたことのない人々が大多数だと思いますが、笠井潔氏の文章は、文章を読んだ人々に間違いなくハルヒについての誤解を与えるでしょう…。凄いめちゃくちゃな文章なので、ハルヒについてトンデモな文章を読みたい方は、一読の価値はあります。7、8ページくらいの文章なので、これだけ読むなら立ち読みで充分ですが…。

逆に、坂上秋成氏の論は読み応えのある論で面白かったですね。ハルヒの著者である谷川流さんの小説「絶望系」を引いて、坂上氏はこう述べます。

『絶望系は、登場人物が「物語内に存在する装置」として意識的に設定されており、登場人物が「自分は物語の登場人物である」ということに意識的で、ゆえに人物達がメタ的で人格性を持たない小説であった。ハルヒは「絶望系」の直系としてのメタ・小説である。ハルヒはラノベというジャンルにおいて登場人物が解体された設定(属性)の集合体であることに、登場人物自身が意識的な「メタ・ラノベ」的小説であり、そこで求められているものは人格的なものではなく、設定を吟味するラノベ読者の視点である。キョンはそのラノベ読者の視点を代理するメタ・キャラクターであり、ハルヒは、設定の集合体としてキョン=読者から眺められている。ハルヒにおける登場人物達は、互いに作り物の世界の中の設定の塊であるというメタ的な自意識の存在であるゆえ、対人における人格的な愛を持つことができない。

たとえ、キョンがハルヒに愛しているといったとしても、実際はハルヒを愛しているのではなく、世界改変者に対するメタ的な言葉に過ぎないという疑念からキョンと読者は逃れることができない。作り物の世界の中にいることに自覚的なキョンは「愛している」と言う自らのその言葉自体が世界改変者であるハルヒに言わされているのかも知れないという疑念から逃れることは出来ず、永遠に愛を知ることはできない。これは「とらドラ!」に見られるような、登場人物が人間的に描かれ、彼らの全人的な人格同士の交流と成長を描き、そしてそこから生まれる互いの愛情を描くライトノベルとは対照的である』(坂上秋成)

とても面白い考察でしたね。ユリイカに載っている他の論とはレベルの違う、ずば抜けて優れた論文だと思いました。ハルヒシリーズに流れる、どこか冷たくシニカルな、ある種の反人間的、アンチヒューマニズム的なたたずまいがどこから生まれているのか、それを優れた分析で解き明かしている名文と思います。ハルヒファンにぜひ一読をお勧めする文章ですね。これを読むためだけに、お金のあるお方々はユリイカを購入しても損はないと思います。

ユリイカ2011年7月臨時増刊号 総特集=涼宮ハルヒのユリイカ! The girl greatly enlivens the criticism!
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