2011年08月19日 21:58

杉原智則「烙印の紋章」1、2巻読了。実に面白いです。早速続きを予約したのですが、図書館に5巻までしかない…。

烙印の紋章―たそがれの星に竜は吠える (電撃文庫)
不死鳥の剣―剣と魔法の物語傑作選 (河出文庫)

杉原智則さんの本格派ヒロイックファンタジー「烙印の紋章」の1、2巻を読了。とても面白くて、一気に読み耽ってしまいました。実に良い読書体験でしたね…。図書館で借りて読んだので、さっそく図書館で続刊を予約したのですが、現在既刊8巻なのにも関わらず、図書館に5巻までしかなかったです…。図書館に6巻以降が入るのを待つか、他の図書館から6巻以降を取り寄せになるかして、当分は5巻以降読むのはお預けに…。うう…こういう時、お金のない悲しさを感じます…。お金のあるお方々は買って読むだけの面白さは十二分にある優れた面白い小説です。出版元はライトノベル(電撃文庫)ですが、ライトノベルというよりは、西洋のヒロイックファンタジー小説の方に遥かに近い感じで実に面白いです。作者後書きにも、海外のヒロイックファンタジーをモティーフにしたと書かれていますが、海外のヒロイックファンタジーを上手にリファインした作者さんは実に力量あるなと感じましたね…。

「烙印の紋章」は、帝国の皇子と顔がそっくりだったことで、皇子の影武者となる奴隷剣闘士の青年が主人公。彼は、故郷と家族親友を戦乱の中で焼き、自分を奴隷の身分に落とした帝国を憎んでいるのですが、そんな彼自身が帝国の皇子の影武者となるという皮肉で数奇な運命が待ち受けていました。彼は影武者という立場を利用して自らの権勢を拡大し帝国に復讐を遂げようとします。お気軽お気楽なライトノベルでは見られない、暗い影のある復讐者の主人公、皇族・貴族・外交使節達が権謀術数に明け暮れる伏魔殿的宮廷、そして奴隷制と残酷な独裁により支配されている帝国に漂う全体的に暗い雰囲気など、物語に良い意味での重みが感じられて、とても良い味を出しているライトノベル、お勧めですね。僕はこういう暗くて重みのあるヒロイックファンタジー、とても好きなので、凄く趣味に合います。

本作は海外の色々なヒロイックファンタジーを良い意味でいいとこどりという感じで、ヒロイックファンタジーの醍醐味はそのままに、読みやすく仕上げています。「不死鳥の剣」(海外ヒロイックファンタジーアンソロジー。傑作です)と読み比べたりすると、いかにヒロイックファンタジーを日本の人々が受け入れられるようにするか試行錯誤している作者の杉原智則さんの真摯な情熱を感じられて良いですね…。皆様方にご一読をお勧めできる優れたヒロイックファンタジー小説です。

忘れもしません。『地底世界ペルシダー』エドガー・ライス・バローズ不朽の名作を、日本SF界の巨匠・野田昌宏さんが翻訳された一作。(中略)それはもう、見事なまでに血沸き肉踊る冒険活劇でした。これまではただ億劫だった、「字を読むという作業」は、最初の数ページであっという間に「物語を追う楽しさ」にとって代わり、ページを繰る手が止められなかったのを、いまでも憶えています。そして何より、あとになってその小説の筋を思い出そうとするとき、頭に浮かぶのが、文字の羅列などではなく、読んでいる最終に頭で再生されていたであろう映像作品のようなシーンの連続であったことに、何より驚かされました。(中略)

なぜいきなりこんな昔話をはじめたかといえば、この『烙印の紋章』をはじめる際、ぼくの脳裏に展開していたのが、バローズの作品群、その荒々しくも華美な世界の数々であったからに他なりません。絶対絶命、手に汗握るピンチ連続の大冒険。英雄と美姫のはかないロマンス。恐ろしげな怪物や、憎き敵役との目も覚めるようなアクションの数々。小学生の自分を魅了してやまなかった、そういう世界を、物語を、人物達を、自分も書いてみたい。そんな思いが、『烙印の紋章』のはじまりでした。
(杉原智則「烙印の紋章」第2巻作者後書きより)

烙印の紋章―たそがれの星に竜は吠える (電撃文庫)
烙印の紋章〈2〉陰謀の都を竜は駆ける (電撃文庫)
烙印の紋章〈3〉竜の翼に天は翳ろう (電撃文庫)
烙印の紋章〈4〉竜よ、復讐の爪牙を振るえ (電撃文庫)
烙印の紋章〈5〉そして竜は荒野に降り立つ (電撃文庫 す 3-19)
烙印の紋章〈6〉いにしえの宮に竜はめざめる (電撃文庫 す 3-20)
烙印の紋章(7) 愚者たちの挽歌よ、竜に届け (電撃文庫)
烙印の紋章〈8〉竜は獅子を喰らいて転生す (電撃文庫)
火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)
不死鳥の剣―剣と魔法の物語傑作選 (河出文庫)

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