同人RPG「Lilipalace」クリア。wizを彷彿とさせる傑作です。「もんむす・くえすと前編」「メタルマックス2リローデッド」

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同人サークル73号坑道さんの3DダンジョンRPG「Lilipalace」クリア。本格派のファンタジーRPGでして、ファンタジーRPGとしても3DダンジョンRPGとしても良作、物語もシステムもバランスもとても良く出来た傑作RPGです。3DダンジョンRPGが好きなお方々にはぜひにお勧めですね。wiz（ウィザードリィシリーズ）を彷彿とさせる面白さがあって、とても楽しめました。

73号坑道公式サイト
http://tunnel73.x.fc2.com/

本作は、周辺の人々が行方不明になっている怪事件の調査にやってきた騎士団の女性ハーフエルフ騎士が主人公。彼女は人々が消えた先と思われる「リーンの迷宮」と呼ばれる謎のダンジョンを仲間達と共に捜索し、謎の解明を目指します。物語は先に挙げたウィザードリィなどのファンタジー物を彷彿とさせる指輪物語的なファンタジー世界が舞台ですが、これが物凄くシリアスに精緻に良く出来ている世界です。こういうシリアスな本格派ファンタジー、僕は大好きですね。迷宮探索の物語がとても面白いです。

また、本作において特筆すべきは、敵の出現ポイント・出現数が決まっており、一度倒した敵は二度と出現しないことです。これによって、戦闘が絶妙に面白くなっているのが素晴らしいですね。どういうことかと言いますと、本作は敵の数が限られているので、敵を倒してレベルアップには限界があるんです。RPGでありがちな「レベル上げして力押しでクリア」という戦法は取ることが出来ません。レベルアップに限界がある上、雑魚敵すらかなり強いので、適当に戦っていると雑魚にもやられてしまいます。ボス戦は更に手ごわく、ボスの攻撃パターンを読んで、対ボスに備えたアイテム・装備・戦術をしっかり練っていかないと勝てません。ただ難しいだけでなく、このゲームは敵に負けてゲームオーバーになっても、敵と遭遇する直前からコンテニューできるシステムになっており、負けてもデメリットがないので、気軽に強敵へと挑むことができます。このシステムにより、凄く手ごたえのある戦闘がテンポ良く楽しめて良かったですね。ラスボスは倒すの苦労しました…。

「Lilipalace」、ゲーム性が高く楽しめる3DダンジョンRPG、良い作品です、RPG好きにお勧めですね。敵の数が限られており、無制限なレベルアップが不可能な為、戦術的なテクニカルな戦いが求められるRPGということでは、昨今における同人ゲームの最大のヒット作「もんむす・くえすと前編」を彷彿とさせますね。最近の同人ゲームは、ゲーム性の高い良作RPG「もんむす・くえすと」（こちらもコンプリートしています、最高に面白かったです）が販売本数数万本の大ヒットとなったことで、ゲーム性の高い良作同人RPGが「もんむす・くえすと」に続けとばかりどんどんリリースされており、RPG好きとして嬉しいですね。

もんむす・くえすと公式サイト
http://mon110.sakura.ne.jp/mong/top.html

「もんむす・くえすと」が爆発的に大ヒットしたことは、今のPCゲームプレイヤーが、PCゲームの大半を占める紙芝居型のゲーム（ゲーム性のないゲーム）には飽きており、ゲーム性のあるゲームを求めていることを如実に表していると思います。PCゲームの大半は、紙芝居型の18禁商業ゲームな訳ですが、そういった紙芝居型18禁ゲームよりも、ゲーム性の高い良作RPGである「もんむす・くえすと」の方が圧倒的に売れましたからね。商業ソフトハウスの方が同人サークルよりも制作費を掛けることが出来る、つまり色々なゲームシステムを試す余裕（予算）がより大きくある訳で、なぜ商業ソフトハウスのほとんどはいまだに紙芝居型のゲームにこだわって、ゲーム性を軽視するのかなと思いますね…。ゲーム性のない紙芝居型のPCゲームは、よほどシナリオが優れているか、もしくはよほど18禁要素に特化しているかのどちらかでない限り、その他諸々はだんだん売れなくなって衰退してゆくと思いますし、今後、商業PCゲームに道があるとしたら、それは「もんむす・くえすと」が示した道、工画堂、アリスソフト、エウシュリー、エルフ、ソフトハウスキャラなどの非紙芝居型で長く楽しく遊べるゲームのような、ゲーム性が高く試行錯誤して頭を使って遊べるゲーム、RPG、S・RPG、SLGなどのゲーム性の高い作品の復権の中に、PCゲーム業界の明日へと続く道があるのだと思います。

「もんむす・くえすと」における18禁要素は、完全な女性上位社会でのエロス、下位の男性が上位の女性に責められる女性サディズム・男性マゾヒズムのエロスのゲームでして（もんむす・くえすとは全エッチシーンが徹底した女性攻め男性受け）、女性サディズム・男性マゾヒズムのゲームが数万本も売れるとは、この点もとても驚きましたね…。女性サディズム・男性マゾヒズムがいつの間にかオタク業界における巨大な勢力になっていたことに驚きです。もんむす・くえすと、とても人気のある作品ですから、アニメ化とかされて、よりメジャーになったらそれは女性サディズム・男性マゾヒズムのオタク業界からの日本社会におけるメジャー化を意味するわけで、とても面白いと思いますね。

PCゲームの話の次は、コンシューマゲームの話を。今度、メタルマックス2のニンテンドーDSリメイク「メタルマックス2リローデッド」が出るんですね。DSのメタルマックス最新作「メタルマックス3」は、僕のプレイしたDSゲームにおいて「真・女神転生ストレンジ・ジャーニー」と並んで最も好きな作品なので、メタルマックス3システムで、パワーアップしたメタルマックス2が遊べるのは最高に楽しみです。僕はメタルマックスシリーズ大好きでして、メタルマックスのシナリオもメタルマックス3のシナリオも好きですが、一番ドラマツルギーに溢れて燃える展開のメタルマックスはメタルマックス2のシナリオだと思うんですね。

他のメタルマックスシリーズに比べて、メタルマックス2はドラマ性が極めて高いところに特色があります。メタルマックスの主人公は、特に目的のない賞金稼ぎの冒険家でして、メタルマックス3の主人公も記憶喪失でなりゆきで賞金稼ぎの冒険にでることになる。メタルマックス2の場合は、孤児の主人公の育ての親であり、姉代わりであり、主人公の愛する人でもあったバウンティハンターのお姉さんが、主人公の目の前で殺されてしまう。主人公は仇である犯罪組織グラップラーを壊滅させ、愛する彼女を主人公の目の前で殺したグラップラーの幹部テッド・ブロイラーを倒すために賞金稼ぎとなる物語でして、目的が「目の前で殺された愛する人の仇を討つ」なので、他のメタルマックスシリーズに比べると展開の気合の入り方が違います。

メタルマックス3も後半の目的は「悪の組織にさらわれた愛するヒロインを助ける」になるので、これはこれで最高に盛り上がるのですが、ただ、「愛する人を救う」と「愛する人の仇を討つ」だと、僕としては後者の方が気持ちがよりぐっときてプレイしていて盛り上がりますね。僕はドラクエの物語においては、ドラクエ4が好きなのですが（ゲーム性から見るとドラクエ3が一番好きです、amazonでwiiドラクエ1・2・3セット、売り切れになって買えなかったのが悲しい…）、ドラクエ4も「愛する人の仇を討つ」物語でしたね。FF7もエアリスの仇討ちですね。「愛する人を救う」の物語だと最後はハリウッド的なハッピーエンドになるんですが、「愛する人の仇を討つ」の物語だと、最後、仇を討ち復讐を遂げても愛する人は帰ってこない訳で（僕はドラクエ4EDのシンシアは幻想派です）、メタルマックス2にしても、ドラクエ4にしても、FF7にしても、仇を討ち復讐を遂げた後の物悲しい寂寥感のある終焉が、とても好きなのですね…。

FF7の場合、クラウドがティファとくっつくのであまり悲壮感がないのですが、ドラクエ4やメタルマックス2は最後まで独り身なので、失われた愛する彼女のことを思っているであろう主人公の胸の裡が切ないです…。久美沙織さんの書いたドラクエ4公式小説だと、主人公とシンシアは肉体関係もある恋人同士で、復讐の気持ち（ロザリーを殺されて復讐心の塊となった魔王ピサロと対比されている）とその寂寥感がより大きく出ていますね。「メタルマックス2リローデッド」、プレイがとても楽しみです。僕はお金ないので、amazonで限定版ではなく通常版を予約しました。はやくプレイしたいなあ…。僕は純然たるハッピーエンド系の物語よりも、余韻の残る切ない物語が好きです。メタルマックス2やドラクエ4、エストポリス伝記2やタクティクスオウガ、余韻の残る作品、今も記憶に残る好きな作品ですね…。北欧神話的な物語が好きです…。

北欧神話に魅せられたのは、まだ10歳にもならない子供の頃で、その悲劇性と、眼前に破滅（最終戦争ラグナロク）を見つめつつ、なお敢然と戦いを挑もうとする真正面の勇気に心を躍らせていた。そのころの私のお気に入りは、神々と人々と、さらには敵に対する信義のために自らの片手を犠牲にする、戦いの神チュールであった。その愛情はいまだに変わらない。（中略）北欧神話において死は一つではない。誉ある死を遂げた死者はオーディンの館（ヴァルハラ）に迎え入れられるが、誉なき死者はヘル（冥府）に行く。（中略）そこでは、いかに生きるかという問いは、いかに死ぬかという問いと同義である。
（エリス・デイヴィッドソン「北欧神話」訳者あとがきより）

「人間は、己可愛さに他人を殺しますが、また一方で愛するもののためにわが身を犠牲にもするのです」
（池田理代子、宮本えりか「ニーベルンクの指輪」）

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