2011年07月02日 05:50

ギフト券ありがとうございます。にゃんこ元気です(^^)CLOCKUP「euphoria」クリア。とても良く出来たSFサスペンスです。

euphoria
クラインの壷 (新潮文庫)

ギフト券贈って頂き、ありがとうございます。暑い日が続いておりますが、幸いなことににゃんこは元気です。にゃんこは布団に入らず、椅子の上でお腹出して寝ているのですが、手をクイッと曲げて、お腹だして、目を閉じて寝ているのがとても可愛いですね…。にゃんこは心が癒されます。あと、まるで心を読むように、僕が落ち込むとやってきて、にゃ〜んにゃ〜んと鳴いて慰めてくれるような挙動になるのが不思議ですね。動物には人間の心を読む、人間よりずっと優れた直観力があるのかも知れないなと思いますね…。

「Rewrite」に続いてゲームのお話を。最近PCゲーム界隈において優れた作品として話題になっているCLOCKUPの18禁ゲーム「euphoria」をたった今、コンプリート(全CG/全イベント/全ED100%)しました。とても面白かったですね。正直なところ、僕にとってはkey「Rewrite」よりずっと面白かったです。ゲームの売り上げと面白さは決して比例しないなあと改めて思いました。

「euphoria」は、映画「SAW」「CUBE」シリーズを彷彿とさせるSFサスペンス。映画CUBEの舞台のような閉鎖空間に閉じ込められた人々が、非道な命令と残酷極まりないトラップの仕掛けられたその空間から脱出を試みる物語…のように一見は見えるのですが、実はもっとスケールが大きく、そしてとても読み応えのある優れたSFサスペンスでした。プレイしていて、仮想現実をテーマにした岡嶋二人の傑作SF小説「クラインの壷」(非常に優れた小説です。未読のお方々はぜひ読んでくださいな)を思い出しましたね…。本作において主人公が仮想現実と現実の境が分からなくなって、おかしくなっていく展開はクラインの壷に負けず劣らずの凄い緊迫感でした。黒幕が主人公を弄んで、「あなたの体験していたものは体感ゲームのモニターですよ」というところとか、完全にクラインの壷オマージュで思わずニヤリ。

ウィキペディア「クラインの壷」
『クラインの壺』(クラインのつぼ)は、岡嶋二人の小説である。1989年に新潮社より刊行され、1993年新潮文庫刊行、2005年には講談社文庫から刊行された。
ミステリー要素とSFをふんだんに取り入れ、当時まだ珍しかったバーチャルリアリティを斬新に取り入れた話が話題になる。表題はこの装置の名前として登場し表と裏の区別がない立体クラインの壺に由来する。物語が進むに従い現実世界(表)と仮想世界(裏)が曖昧になっていく様子が描かれる。
尚、岡嶋二人は徳山諄一と井上夢人のコンビであったが、本作を境にコンビは解消された。本作の大部分は井上の手によるとされる。

ストーリー
バーチャルリアリティシステム「クライン2」による最新鋭ゲーム、そのゲームストーリー原作者としてテストプレーヤーになった青年が、もう一人のテストプレーヤーの失踪を機に「クライン2」の裏事情を探っていく。

「euphoria」はどんでん返しの連続で、「Rewrite」とは違い、隠されたネタが命のSFサスペンスなので、ネタばれは控えますね。映画「SAW」のような展開(登場人物達は監禁され、姿の見えない主催者に、登場人物達自身の手による残酷な仕打ちを強制される)が続くので、犠牲者ヒロインのふりをして、その実はヒロインの中に黒幕が潜んでいるんだろうなと思っていたら、その通りだったんですね。ヒロインのなかで、おそらくはこ奴が黒幕かなと思っていたら当たったのでちょっと嬉しい。このヒロイン(ネタばれにならないよう名前は伏せます)、最初から最後までどうしようもなく腐っていた極悪非道の悪人だったのが、物語上も筋が通っている上に、他の18禁ゲームだと余り見ないような感じで良かったです。いろいろひっかけが用意されていますが、ミスリーディングを上手くかわして犯人を当てました。プレイするときはヒロインの中の誰が真の黒幕か考えながらプレイすると楽しいと思います。

多くの18禁ゲームの欠点として、物語において、ヒロインを極悪非道などうしようもない悪人として描くことができないというのがあるんですね。「ヒロインは魅力的でなければならない」というセオリーに多くの18禁ゲームは縛られているので、ヒロインをあまり悪く書けない。例え、ヒロインが悪人であっても途中で改心したり、何らかの同情すべき理由とかがあったりすることが多い。その結果、サスペンス・ミステリジャンルにおいて、女性登場人物(ヒロイン)のキャラクター性の自由度が凄く狭められちゃうんですよ。その結果、物語の自由度も大幅に狭められて展開が不自然になってしまう。例え物語上必要であっても、プレイヤーが嫌悪感を抱くようなヒロインを出すことを18禁ゲーム製作側は恐れるのですね。このようないわゆる「ヒロイン至上主義・キャラクター至上主義」の製作手法においては、物語にどうしても限界・不自然さが出てしまう。

けれど、本作「euphoria」の場合は、先に物語ありき、謎の散りばめられたサスペンスとしての物語に上手く合うようにきちんとヒロインを含むキャラクターが造形されているので、上記で指摘したような不自然さを感じるところはなく、18禁ゲームというよりは、面白いサスペンス映画やサスペンス小説を鑑賞しているような感じで楽しめましたね。SFサスペンスとして非常に優れた作品として評価しますね。サスペンスという作るのが大変なジャンルでここまで作ってくれて、クロックアップさんに感謝です。ヒロインがきっちりと救いようのない極悪人をこなしているという点ではエルフの傑作サスペンスゲーム「媚肉の香り」に通じるものがあります。本作には媚肉だけでなく、昔の全盛期のエルフ、野々村や河原崎を作っていた頃のエルフを彷彿とさせるような良さがありますね…。

学園恋愛物や伝奇アクション、ファンタジー冒険物のようなテンプレートがあって作るのがある程度安易な18禁ゲーム作品よりも、サスペンス、ミステリー、ホラー、きちんとしたSFなど、作るのが大変であり、そしてそれだけにきちんと作ってあれば謎解きの読み応えのある18禁ゲーム作品を意欲的なソフトハウスさんがきっちり作ってくれるのはプレイヤーとして嬉しく感謝の気持ちを覚えますね…。シナリオライターの丸戸史明さんが、サスペンス・ミステリージャンルは作るのが大変なので、18禁ゲームでは数少ないが、だからこそ作るやりがいがあるのだと述べていますが、まさにこの心意気を今回クロックアップさんに見せてもらった思いです。

つくとり:サスペンスの傑作、そして限界
http://www1.odn.ne.jp/yukyu_wod/analysis/tsukutori.html
ブランド公式ページ内(rufブランド消滅により現在消滅)の「企画屋の小林氏、丸戸氏からの発売コメント」「みなさん(他ブランドのシナリオライター)より発売のお祝いコメント」に書かれている通りの作品である。燃えや格好良さを求めず、奇怪でおどろおどろしく、謎解きやミステリーを楽しむ作品である。

このサスペンスという範囲でいえば、本作品は素晴らしい出来である。登場人物達や組織群の精緻な設定と作品内での行動が生み出す物語は見事なものである。高い文章技術、厳密な情報のコントロールで主人公とプレイヤーをうまく惑わせている。今時の作品らしく無駄なゲーム性や無駄な選択肢を徹底して排除してあり、間延びせずまたプレイヤーの負担なく楽しむことができる。

本作品はサスペンスとして優れているが、現状美少女ゲームの中でサスペンスが占める割合は著しく小さい。上記のコメント群の中でも二人(企画屋の丸戸氏、キャラメルBOXの嵩夜あや氏)から「最近主流ではない」と指摘されている。

ただしこの指摘は、昔はそうではなかった、昔は結構こういう作品もあった、という指摘でもある。それでは、廃れたのはなぜなのか? 今後サスペンスが美少女ゲーム内で再び確固とした地位を築くことはありうるのだろうか。

なぜ廃れたか、といえば、苦労の割に合わないからだろう。サスペンス・ミステリーはシナリオライターの負担が大きい。本作品は、上記コメントによれば、通常の作品の30倍の労力がかかっているそうである。では30倍と言わなくても、通常の作品の3倍売れるかというとそんなことはない。シナリオ以外の演出やCG面では、サスペンス物に要求されるのは売れる美麗な絵ではなく雰囲気に合った暗い絵である。これはハードウェアの制約から高品質の絵がそうそう出せなかった10年前なら絵が作品に合っているということで利点となるだろうが、今では絵が綺麗でないことが売り上げにマイナスとなってしまう。

ということで、サスペンスはシナリオライターの負荷がやたらと高く、そして出来の割に売れないジャンルである。作られないのは当然である。将来的にも、必要な巨大な労力を乗り越えられる才能あるシナリオライターが無茶して作ったときのみ、優れたサスペンス作品が生まれる可能性があることになる。

というわけで、通常の30倍の労力がかかる作品を、前回メインライターで制作した作品(「Steel」(Graviton)。本サイトでも紹介済。こちらも著しくライターの労力と才能を消耗する作品だった)からたかだか2年程度の時間で作り上げたライター・味塩ロケッツ氏には誠に敬服する。そして、どちらの作品も労力と出来の割に市場から評価されないことを現状のジャンル状況から仕方がないと感じつつも、残念に思う。

サスペンス・ミステリーにおいては、謎として提示されたものを後半で解くとき、きちんと辻褄を合わせなくてはならないので、適当に学園恋愛物を書きなぐるような方法では製作できないのですね。最初から最後まで論理的で合理的な破綻なきプロットを精緻に組み立てる必要があります。ミステリーが好きなお方々ならお分かりかと思いますが、これは非常に頭を使い労力を必要とする作業です。この手間を惜しむと「Rewrite」のように、デウス・エクス・マキナのご都合主義展開で幕を閉じるという残念なことになってしまう。だからこそ、プロット作りを惜しまず、物語への労力が感じられる良くできた面白い作品には敬意を表しますね。「euphoria」はその点、とても良く出来ていました。敬意を表するに相応しい優れた作品です。まさに次の言葉通りですね。

「このサスペンスという範囲でいえば、本作品は素晴らしい出来である。登場人物達や組織群の精緻な設定と作品内での行動が生み出す物語は見事なものである。高い文章技術、厳密な情報のコントロールで主人公とプレイヤーをうまく惑わせている。今時の作品らしく無駄なゲーム性や無駄な選択肢を徹底して排除してあり、間延びせずまたプレイヤーの負担なく楽しむことができる」

この言葉、ツクトリだけでなく、euphoriaにも当てはまる言葉と思います。本作はヒロインが主人公にデレデレすることだけのゲームとは一線を画している。物語の面白さで勝負しているゲームです。ヒロインが主人公にデレデレするようなゲームをプレイするようなプレイヤーに対して、プレイヤーのその特性(ヒロインがデレデレすればそれがヒロインの本心だと簡単に思い込む単純さ)を逆手に取って、上手くミステリ的なトリックを仕掛けているところが抜群に上手い。面白いSFサスペンスとしてお勧めできる作品ですね。

ただ、本作には映画の「SAW」シリーズと同じくらいのどぎつい残虐描写があり(環境設定で残虐描写の画像部分はカットできますが、文章は読み進めないと話が分からなくなるため、残虐描写文章でも避けることはできません)、また18禁ゲームですのでセックスシーンはふんだんに盛り込まれているのですが、これがまた強烈にアクの強いシーンが多いため、残虐描写やアクの強い18禁性描写シーンは苦手というお方々にはお勧めできません。購入するときはまずは購入前に体験版(下記)をやって、どぎつさを確かめてから購入した方がいいと思います。体験版をやって残酷なシーン・アクの強いシーンが大丈夫なお方々にお勧めする優れたSFサスペンスです。後半の展開はあっと意表を突かれること間違いなしと思いますよ。僕としては「Rewrite」より遥かに面白かった作品、面白い物語のゲームをやりたいお方々にぜひお勧めですね。特に映画の「SAW」シリーズ好きならきっとお気にいりになると思います。こういう作るのが大変なジャンル(SFサスペンス)に挑戦した意欲的な作品は売れて欲しいですね…。

クロックアップ「euphoria」公式サイト(体験版あり)
http://entacom.org/clockup/product/euphoria/index.html

映画「SAW」シリーズ

本作のような面白い物語のゲームが出ると本当に嬉しいですね。今週は僕がコンシューマサウンドノベルの最高峰として評価する久遠の絆のPC完全版が出ますし、実に楽しみです…。久遠の絆は一番最初に発売されたとき、発売日に買ってプレイして、あまりの出来の良さに感動して、アンケートはがきに「ぜひPCで完全版出してください。栞が大好きです」ってなことを沢山書いて送ったら、製作会社のフォグから栞のテレカが届きまして、栞テレカ、今も大切に持っていますよ…。僕はゲームプレイ後はアンケート葉書はきっちり出すので、サーカスなどを始めとしてゲーム会社から色々貰っておりますが(ゲーム会社にアンケート葉書出すと、ゲーム会社によってはテレカやアルバムや小冊子など非売品の色々なものを贈ってくれます)、その中でも、このフォグから頂いた久遠の絆の栞テレカは、一番思い出深いものの一つですね…。

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久遠の絆 -THE ORIGIN- 初回限定SPECIAL PACKAGE
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久遠の絆 -THE ORIGIN- 初回限定通常版
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媚肉の香り~ネトリネトラレヤリヤラレ~
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