2011年04月01日 20:10

福島第一原発のストロンチウム90。レイモンド・カーヴァー「象/滝への新しい小路」より「医者は言った」「大枝の向こうに」アントン・チェーホフ「雀の夜」

象・滝への新しい小径 THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CARVER〈6〉

事態の終結まで百年以上と目されている福島第一原発から漏れているプルトニウムは人体から排出されず、ミクロン単位のごく僅かにでも吸引すると、高確率で肺癌を引き起こします。プルトニウムと同じくヨウ素やセシウムより危険性が高く、骨にたまり排出されず、骨肉腫や白血病など様々な疾病を引き起こすストロンチウムは検出調査自体をやっていません(東電・日本政府はストロンチウムの検出調査をまだ行っていない)。今後、我々が生きている間には事態の収束がつかず、放射性物質漏れが永続的に続き、チェルノブイリを越える第惨事になることを考えると、日本の終わりが、このような形で訪れたことが、真に悔しく悲しいです。せめて、大勢の人々の健康を奪い、国を滅ぼした東京電力社長を始めとする幹部達の責任は、絶対に追求されなければなりません。

レイモンド・カーヴァーとアントン・チェーホフの掌編をご紹介いたします。

ウィキペディア「ストロンチウム」
ウランの核分裂生成物など、人工的に作られる放射性同位体としてセシウム137と共にストロンチウム90がある。ストロンチウム90は、半減期が28.8年でベータ崩壊を起こして、イットリウム90に変わる。原子力電池の放射線エネルギー源として使われる。体内に入ると電子配置・半径が似ているため、骨の中のカルシウムと置き換わって体内に蓄積し長期間に亘って放射線を出し続ける。このため大変危険である。(中略)生体に対する影響 ストロンチウム90の崩壊により生成されるイットリウム90は高エネルギーのベータ線(228万電子ボルト)を放出する。このベータ線は水中で10个泙覇呂、ストロンチウム90はベータ線を放出する放射性物質としては健康影響が大きい。 経口で10000Bqのストロンチウム90を摂取した時の実効線量は0.28mSvで、外部被曝が大きくなる恐れがある。皮膚表面の1cm2に100万Bqが付着した場合は、その近くで1日に100mSv以上の被曝を受けると推定される。

福島原発事故でストロンチウム90の測定データが発表されないゆえんについて
http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1010.html
ウランが崩壊するとヨウ素−131(I131),セシウム−137(Cs137),のほかにストロンチウム−90(Sr90)が生じてくる。にもかかわらず、現在新聞紙上ではI131とCs137だけが、データーとして報じられている。それは何故だろうか。  

  理由は簡単で、前二者は半導体検出器で特性ガンマ線を検出できるのだが、Sr90はベータ線を出すので、ベータ線だけを測ってもそれが由来であると特定できないからである。

日本分析センターのホームページにはこのことがわかりやすく以下のように解説されている。

ストロンチウム90の放射能測定の要点 ほとんどの放射性物質は 壊変 したときにガンマ線を放出します。ガンマ線はそれぞれ物質に固有のエネルギーを持っているので、ガンマ線を測れば含まれる放射性物質が何であるか、また、どの程度含まれているかを知ることができます。
しかし、ストロンチウム90は、ガンマ線が放出されないで、ベータ線のみが放出されます。ベータ線はガンマ線と違って、固有のエネルギーを持っていないため、どの放射性物質から放出されているかを決めることはできません。このため、化学的にストロンチウムだけを分離精製する必要があります。ストロンチウムだけになった後に、ストロンチウム90のベータ線を測るわけですが、実際には、ストロンチウム90が 壊変 して生成されるイットリウム90のベータ線の方がエネルギーが大きく測りやすいため、このベータ線を測定し、その結果からストロンチウム90の放射能を算出する方法をとります。

  つまり、Sr90だけを分離精製するのに1週間ぐらいかかる。だから東電や行政当局はこの核種を測っている余裕がないのである。

  しかし、Sr90は体内に入ると電子配置・半径が似ているため、骨の中のカルシウムと置き換わって体内に蓄積し長期間に亘って放射線を出し続ける。このため大変危険である。原発事故で放出される量はCs137と比較すると少ない、とWikipediaでも解説されているのだが、今回の福島原発事故に関しては放出されている両者の存在比は全く不明である。。
 
  そうであるから、今回我々は、Sr90も福島原発事故の大気から摂取し続けており、Cs汚染地域ではSr90でも土壌も常に汚染され続けていることを忘れてはならない。将来は当然汚染土壌からSr90も作物に移行し、可食部にも移行する。Sr90の半減期も28.9とCs137(半減期30年)と同様に長いので、決して無視してはいけない。今年の産米では、きちんとSr90とCs137を測定しなければならなくなるだろう。

Sr90の水や野菜の摂取基準は決められているのだろうか? 小生は知らないのだが。 誰か教えてくれませんか?

レイモンド・カーヴァー
「象/滝への新しい小路」より

「医者は言った」

彼は言ったこれはよくありませんね
彼は言ったこれはまずいですよ実にまずいな
彼は言った片方の肺だけでこいつが32個もあるんですよそれも
全部数えるのを途中であきらめたんですから
私は言ったそれで結構ですよそこにあるものについて
私はもうそれ以上何も知りたくありません
彼は言ったあなたは信仰の深い方ですかあなたは森の木立の中で
ひざまずいて神に救いを求めますか
滝の前にやって来て
細かいしぶきが顔や腕にかかるような折に
ふと歩みをとめて悟りを求めたりしますか
そういう経験はありませんと私は答えるでも今日からそうするようにしましょう
彼は言ったほんとうにお気の毒です
もっと違った結果をお伝えできたらどんなによかったろうと思います
私はアーメンと言った彼は何か別のことを口にしたが
それは私には聞き取れないもう一度聞き返すのも悪いし
私としてもちゃんとわかりたいとは思わなかったから
これといって他にやることもないまま
私はしばらくのあいだじっと彼のことを見ていた
彼も私のことを見ていたそのとき私は
きっと立ち上がってその男と握手をしたのだこれまでこの地上で誰一人として
私にくれなかったものを今まさに私に手渡してくれた男の手を
私は彼に礼を言いかねないところだった習慣というのは恐ろしいものだ

「大枝の向こうに」

窓の下のデッキに、ぼさぼさ鳥たちが集まって
餌をついばんでいる。たぶん、毎日やってきて餌を食べ、いさかいをする
常連の鳥たちだ。昔は、昔は(Time was time was)と
彼らは叫び、つつきあう。そうだ、そろそろそのとき(Time)だな。
空は一日中どんよりと曇っている。西からの風はいつまでも吹き
やまない……。ちょっとの間君の手を握らせてくれ。僕の手を握って
ほしい。そう、それでいい。強く握りしめてくれ。昔は僕らも
時間(Time)は自分たちの味方だと、思っていたんだけどね。
昔は、昔は、とぼさぼさ鳥たちは叫んでいる。


アントン・チェーホフ「退屈な話」より

「雀の夜」

雷が鳴り、稲妻が光り、雨が降り、風が吹くというひどい夜がある。
人々はこれを「雀の夜」と呼ぶ。
私自身の人生にもそういう夜があった……

私は真夜中過ぎに目覚め、ベッドから文字通りにとびだした。
どうしてかはわからないけれども、私には自分がいままさに死のうとしている
ように思えたのだ。どうしてそんなことを思ったのだろう?肉体的には死を
暗示するような徴候はまるでないのに、私のこころには恐怖が
重くのしかかっていた。まるで炎のうつす広漠とした不吉な輝きを
出し抜けに目にしたときのようだった。

私は慌てて明かりを灯した。水差しの水をごくごくと
飲んだ。それから足早に開いた窓のところに行った。
外は申し分のない天気だった。
空気には干し草の匂いや、何か別のひどい甘い匂いが
混じっていた。柵の先のとんがりを見ることができた。
窓のそばの、やさ衰えて物憂げな樹を見ることができた。道路が
暗い一本の筋のようにのびる林が、見えた。
空にはひどく明るい、澄んだ月が浮かんで、そこにはひとかけの
雲もなかった。すべてはしんと静まりかえり、木の葉はぴくりとも
動かなかった。何もかもが私を見ていて、私が死ぬのを
待っているみたいだった……私の背筋は冷たく
凍っていた。まるで内側にひきずりこまれていくみたい
だった。背筋から、死がこっそりと足音を
忍ばせながらこちらに近寄ってくるような、そんな気がした……


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