果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
STEINS;GATE

オマージュ元「海外SFを読んだことがない人に、海外SF入門としてお勧めしたい四冊」
http://mubou.seesaa.net/article/155903334.html

コンセプト:SFはすげえ楽しいんだけど、どうも古い日本SFはあまり読まれていないようなので(SF小説は頻繁に絶版になってしまうから…)、独断と純然たる自分の好みでお勧め入門用日本SF小説を挙げてみようと思った。

私の立ち位置:SF小説ファン。ただし若干なんちゃって分が入っており、最低でも青背1000冊読んでいない奴はSFファンとして認めないというガチな人に比べれば遥かに読んでる量は少ないと思う。けどそれくらいの方が初心者向けという観点には合致している気もするからいいんじゃないだろうか?

基準:難易度が高そうな専門用語がべきべき出てくる作品は最初は避けた方が無難かもと思った。例えばいきなり谷甲州とか光瀬龍は、若干ハードな気がする(勿論タイトルにもよるけど)

小松左京「果しなき流れの果に」

日本を代表するSF作家小松左京さんを代表するSF作品。日本SFのオールタイムベストとして評価できる作品だと思う。本作の日本SFへの影響のみならず、日本の思索系エンターテイメント全般に対して与えた影響は計り知れない。本作の世界では宇宙の時系列が超越的な意志(宇宙を進化させようとする方向性)によって局地的にループしており、そのループに巻き込まれた人間達の運命を叙情的に描いている。オタク系エンターテイメント作品のメインストリームの一つ「ループ系(時系列がループする物語、昨今だとシュタインズゲートがヒットした)の元祖はPCゲーム「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」と言われているが、本作はYU-NOのメインオマージュ元の小説作品であり、日本のループ系リリカルSFの真なる元祖と言える。シュタインズゲートファンの皆さんにもぜひ一読お勧め。
果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

筒井康隆「霊長類 南へ」

日本を代表するジャンル横断作家筒井康隆さんを代表するSF作品。人類滅亡テーマの最高傑作として評価できる作品。人類の滅亡というテーマを、足掻きまくる人間達の狂騒という形で描く。人間の愚かさと狂騒をシニカルなユーモアに包んで描きながら、その根幹的なところには人間に対する深い愛情が感じられる傑作。人類全てが死に絶えた後の静寂の世界をひたすら描写するラストシーンは強烈に圧巻。

筒井康隆全集〈7〉ホンキイ・トンク 霊長類 南へ

梶尾真治「おもいでエマノン」

切ないリリカルSFの名手梶尾真治さんを代表するSF連作短編。子どもを生むたびに子どもに自らの持つ全ての記憶を継承させることで、生命発祥からの記憶を全て受け継ぐ名無しの女性、エマノン(ノーネームの逆読み)の数十億年に及ぶ果てしない旅路をリリカルな叙情たっぷりに描く。どの連作短編もクオリティの高い珠玉の作品。個人的には、エマノンの正体を知り、なお彼女を愛する、無限の身体再生能力を持った男性神月潮一郎とエマノンの物語が一番好き。
おもいでエマノン (徳間デュアル文庫)
おもいでエマノン (徳間デュアル文庫)

新井素子「グリーン・レクイエム」

星新一にその才能を見い出された日本SF界の俊英アイドル作家新井素子さんの代表作。緑の髪を持ち光合成のできる少女と、その少女に恋をした主人公の清廉な悲恋を、切なく叙情的に描く。短い小説だが、読後感は強烈で清冽。読むときにはBGM用にショパンのアルバムを用意しておくのをお勧め。
グリーン・レクイエム/緑幻想 (創元SF文庫)
グリーン・レクイエム/緑幻想 (創元SF文庫)

広瀬正「マイナス・ゼロ」

タイムトラベル・タイムパラドックスSFの第一人者広瀬正さんの代表作。タイムトラベル技術(時間移動技術)を使い、初恋の女性を救おうと必死になる、善良で地に足のついた主人公の努力と、切ない運命を描く。とても読みやすく面白い。本作は、タイムトラベル・タイムパラドックスSF小説の最高傑作と目されるハインラインの「時の門」を意識して描かれた(広瀬正さんは「時の門」についての考察論文も書いている)、と言われているが、僕としては叙情的で、登場人物達に好感の持てるこちらの小説の方が遥かに好き。タイムトラベルの使い方が上手く、非常に面白い。タイムトラベルSFの最高峰と思う。
マイナス・ゼロ 広瀬正・小説全集・1 (集英社文庫)
マイナス・ゼロ 広瀬正・小説全集・1 (集英社文庫)

星新一さんのショートショートは、全てがお勧めなので割愛しました。今回書いてみて初めて気づいたのですが、僕はリリカルな切ない悲恋のSFが大好きなんだなあ…。今回紹介した5作品全て、「切ない悲恋を描くリリカルなSF」としての要素を持っています。あと、こう書いてみると、日本SF、絶版多いですね…。霊長類 南へもおもいでエマノンも絶版です…。傑作小説が絶版になって読むことが困難になっていることは、悲しいです…。なんでこんなに絶版多いんだろう…。ミステリに比べると、古典的名作SFと評される傑作SFの絶版率は極端に高い感じで(ミステリにおいて、評価の高い古典的な作品は今も出版され続けている)、SF好きとして悲しいです…。そんな中、広瀬正さんの全集が絶版にならずに今も出版されているのは、嬉しいですね…。

参考作品(amazon)
果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
筒井康隆全集〈7〉ホンキイ・トンク 霊長類 南へ
おもいでエマノン (徳間デュアル文庫)
グリーン・レクイエム/緑幻想 (創元SF文庫)
マイナス・ゼロ 広瀬正・小説全集・1 (集英社文庫)
STEINS;GATE

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