2010年06月28日 18:29

元祖弾き振りディミトリ・ミトロプーロス指揮10枚組セット聴き終わりました。良かったですよ〜。

Dimitri Mitropoulos (1896-1960) Conductor

ウラジミール・アシュケナージや、ダニエル・バレンボイムといった、ピアノを弾きながら同時にタクトを振ってオーケストラを指揮をするピアニスト指揮者の「弾き振り」の元祖にして、大胆な音楽解釈で知られる名指揮者ディミトリ・ミトロプーロス指揮弾き振りの10枚組廉価ボックスセットを聞き終わりました。良かったですよ〜。満足です。amazonだとディスク枚数が1になっていますが、これは表記ミスで、実際は10枚組です。以下のボックスセットです。

Dimitri Mitropoulos (1896-1960) Conductor
Dimitri Mitropoulos (1896-1960) Conductor

これは、アシュケナージやバレンボイムの弾き振りにも言えますが、弾き振りは演奏と指揮の二つのことを同時にこなさなくてはならないため、全体の統一性は上がりますが、指揮者の演奏と指揮それ自体はグレードが落ちてしまうことが多いんですね。ミトロプーロスはここら辺を『大胆に楽譜解釈しながら演奏指揮することでカバーする』という手法をとっていて、非常にダイナミックな演奏で聴いていて面白いです。ミトロプーロスだけに限らず、1950年以前くらいの名指揮者達はあまり楽譜を重視していないので、ノリで指揮しているようなところがダイナミックで本当に面白いですね。収録曲は以下の通りです。

CD1
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番 ミトロプーロス(p)、NBC響 1945年12月
バッハ:幻想曲とフーガ BWV 542 ミネアポリス響 1942年4月6日
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ルービンシュタイン(p)、ニューヨーク・フィル 1951年

CD2
メンデルスゾーン:交響曲第3番『スコットランド』 ミネアポリス響 1941年12月6日
メンデルスゾーン:カプリッチョ・ブリランテ グロードン(p)、ミネアポリス響 1940年1月10日
シューマン:交響曲第3番『ライン』 ミネアポリス響 1947年1月20日

CD3
フランク:交響曲ニ短調 ミネアポリス響 1940年1月8日
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ルービンシュタイン(p)、ニューヨーク・フィル 1952年
ラロ:『イスの王様』より序曲 ミネアポリス響 1945年3月2日

CD4
ショーソン:交響曲変ホ長調 ミネアポリス響 1939年
マスネ:アルザスの風景 ミネアポリス響 1946年3月11日

CD5
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 ルービンシュタイン(p)、ミネアポリス響 1947年11月16日
チャイコフスキー:交響曲第2番『ウクライナ』 ミネアポリス響 1946年3月10&11日

CD6
ボロディン:交響曲第2番 ミネアポリス響 1941年12月7日
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 スターン(vn)、ニューヨーク・フィル 1951年3月4日
グラズノフ:ギリシャの3つの主題による序曲第1番 ミネアポリス響 1942年4月6日

CD7
ラフマニノフ:交響曲第2番 ミネアポリス響 1947年1月1&20日
ラフマニノフ:交響詩『死の島』 ミネアポリス響 1945年3月2日

CD8
ショパン(ロガール=レヴィツキ):ショピニアーナ(英雄ポロネーズ、ほか)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ミトロプーロス(p)、 フィラデルフィア・ロビン・フッド・デル管弦楽団 1946年7月26日
プロコフィエフ:交響曲第1番『古典』 ミネアポリス響 1940年12月7日

CD9
マーラー:交響曲第1番『巨人』 ミネアポリス響 1940年11月4日
ラヴェル:クープランの墓 ミネアポリス響 1941年12月6日

CD10
ベルク:ヴァイオリン協奏曲 スターン(vn)、ミネアポリス響 1945年12月30日
ミヨー:屋根の上の牡牛 ミネアポリス響 1945年3月2日
クシェネク:ピアノ協奏曲第3番 ミネアポリス響 1948年12月

ただ、どれも古い演奏なので(ほとんど1940年代)、音質が悪いのは如何ともしがたいところが残念ですね…。CD8は演奏されている曲ショピニアーナは最高に面白いのに、聴いていて悲しくなる音質です。クリアーな音質で聴きたかった…。お勧めはルービンシュタインがピアノを弾いたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(CD5)、非常にダイナミックな指揮で痺れます。どの演奏にも言えることですが、非常にダイナミックな指揮(弾き振り)です。

1960年代以降、楽譜に忠実に演奏するというスタイルが流行り出してから、演奏者の自由度(解釈の幅)が激減してクラシック音楽はつまらなくなってしまったと僕は思うので、1950年以前から活躍している、極めて個性的な、ダイナミックな演奏をする指揮者や演奏家がとても好きですね。ミトロプーロスもそんな好きな指揮者・演奏家の1人です。僕はジャズのスウィングでクラシックを演奏しているオイゲン・キケロ・トリオとか大ファンなので。クラシックが往年の人気を取り戻すには、豊かな躍動性、ダイナミクスが必要だと常々思っておりますね。

はじめて「ロココ・ジャズ」を聴いた時の新鮮な驚きと喜びは今も忘れられない。クラシックのあまりにもみごとなジャズ化、軽快な指さばきと快いスウィング、美しいサウンド、粋で気品があり、エンタテイメントとどの点をとっても最高に楽しかった。それはスリー・サウンズ、ラムゼイ・ルイス・トリオにも通ずる楽しさであり、また最上の大衆小説、推理小説を読んだ時の興奮やスリルにも似ていた。
(「ロココ・ジャズ」ライナーノーツより)

ロココ・ジャズ

現代では、南米の若き人気指揮者グスターボ・ドゥダメルが、非常に個性的でダイナミックな、それこそ1950年代以前の昔のような、『楽譜よりも指揮者とノリが大切だ!』というタイプの演奏をしていて、僕は彼の指揮が大好きです。ドゥダメルは今後に期待が持てますね。ドゥダメルは昔の個性的な名指揮者達のように、楽譜に縛られることなく、これからものびのびと自由に音楽を指揮演奏してくれたら良いなあと思います。

参考作品(amazon)
Dimitri Mitropoulos (1896-1960) Conductor
フィエスタ!
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第7番
ロココ・ジャズ

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