2010年04月26日 07:31

白いご飯に最も合うおかずランキング、たくわん入っていない…。水木しげるのカランコロン。水木さんと空腹と猫。

水木しげるのカランコロン
カランコロン漂泊記 ゲゲゲの先生大いに語る

http://cobs.jp/enquete/realranking/2010/04/25_2.html
Q.白いご飯に最も合うと感じる食べ物について教えてください。(単数回答)
1位 明太子(焼きたらこ) 20.7%
2位 納豆 14.9%
3位 梅干し 12.6%
4位 みそ汁 10.0%
5位 生卵 8.3%

たくわんが入っていない…。僕はお金がないのでごはんにたくわんで二品で終りのことが多いです…ううう…。ごはんもので一番食費が安上がりに済むのは、『ごはん+たくわん』なんですね。たくわんは長いたくわんがスーパーの安売りで300円くらいで買えるので、食事のたびに2、3枚ずつ切ってごはんのおかずにしてゆけば、2週間くらい持ちます。300円で2週間持つというのは最高のコストパフォーマンスです。

なんだか書いてて悲しくなってきました…。明太子とか、余りにも高すぎて(一食に明太子一個=何百円も掛かる)、好きなんだけど買えません…。ああ…。悲しくなってきました。

水木しげるさんのエッセイとか読むと、水木さんの戦時中のごはんのおかずは醤油だったと書いているので、それよりはまだ良いかなと思いますが、今は戦時中ではないのに、お金がなく戦時中のような食生活をしていることを思うとやはり悲しくなります…。僕は寝ていても、いつもまず最初にお腹が空き過ぎて空腹感で目が覚めるので、水木さんの戦時体験のエッセイや漫画と同じだなあと思いますね…。

飢え・空腹の恐怖は頭にこびりついていて、時々「銀メシ」が急に食えなくなる夢をみる。夢の中でハッとする。今の若い人のようにゆったりと楽しむ心が、何年たってもわいてこない。(中略)

食い物のことを心配しなくてもいいなんて時代は、「若い日の私」にとっては、それこそ「天国」としか言い様がない。(中略)

食料というのは、輸送する間にだんだん減るものらしく、我々(南方部隊)の口に入るのはいつもニギリメシ二個位が一日の食料で、おかずは醤油じるだった。中には何も入っていない。(中略)

一方、内地の方では、たらふく食って、もうける軍需産業の人もいたから、運、不運とか、幸福のモンダイに注目するようになり、
「幸福とはなんだ」
と、お化けの研究とともにいつも自問自答してみるくせがついた。

戦前は、なんでも成功すれば幸福になれるんだという感じの教育だったから、総理大臣とか陸軍大将なんかになると「幸福」になれると思っていたが、イロイロ調べると会社の社長でも、あまり幸福ではない。

はて、……と思って、好きなことをやっているかに見える文豪のたぐい、これもあまり幸福ではない。

はて、おかしい、と思いながら、多忙の中に自問自答を繰り返し、年を重ねるわけだが、アフリカのドゴン族にテレビの仕事で行くと、彼らはいう。「猫は幸せだ。食うために働かないから……」。なるほど考えてみると、猫は人間を働かして食べる。しかもゆったりと時間を使って昼寝なんかしている。人間は目の前の石を意味もなく持ち上げようとしてるだけかもしれない。

猫が幸福だ、というドゴンの人と、僕は同意見だった。
(水木しげるのカランコロン)

水木しげるさんのエッセイは僕と感性が合うようで、とても好きですね…。上記のカランコロンは、水木しげるさんが長年書き続けたエッセイを総集成した本であり、とてもお勧めです。下記とか、全く同感ですね…。

もともとらくして生きられればそれが最高と考えていたわけだが、半生はその逆にバカ苦しい人生になってしまったが、できたら、楽園か楽園みたいなところで暮らしてみたいという考えは今も変わっていない。

よく成功者とか、文豪とかいわれる人なんかが、死ぬ前まで働いてカッサイをあびているようだけど、私にはサッパリ分からない。

死ぬ時には、仕事なんかせずに、ゆっくり死ぬのが最上だということは猫でも知っていることで、ゆったり死んだ方がいいと思うが、どうしたわけか、日本人は畳みの上で死なないとか、とかく短い一生を働き蜂みたいに、それこそ狂い死するほど働くのが美徳みたいにいわれているが、これもわからない。(中略)

猫みたいにらくして生きるというのが、私の憲法みたいになっているから、仕事の少ない時はやたらに寝る。
(水木しげるのカランコロン)

水木しげるさんの人生目標はそれこそ若いときから今の世まで首尾一貫して猫(猫のように暮らす)であり、猫大好きなところも共感を感じますね…。

――水木先生の作品には猫又とか猫忍とかやたらと猫が登場しますが、猫好きなんですか?

水木しげる
「犬はね、愛嬌がないんです。ネコの方が面白いんです。犬ってのは、ペコペコして人間の後を忠実についてくるでしょ。ネコはちゃんと独自のものを持ってますからね。それに、ネコの道なんてあって、ネコだけの道があったりね。スズメなんかを取ってるのを、時々見たし、後ろの寺でね。一匹は屋根に登って、一匹は下におるのです。そして、スズメを取ろうとしてるのです。面白いと思って見てたんです。愛嬌があって面白いと思って見てたんです。なんでも人間に例えてみるから」
(水木しげるのカランコロン)

ああ…お腹すいたです…。

参考作品(amazon)
水木しげるのカランコロン
カランコロン漂泊記 ゲゲゲの先生大いに語る

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