2010年02月09日 12:57
ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」。人気作品「ローゼンメイデン」のおそらくは元ネタであろう名曲です。
ストラヴィンスキー:春の祭典(ペトルーシュカ)
昨日は頭痛が酷く、更新できずにごめんなさい。今日も今朝から頭の痛みが酷いのですが、頑張って書きます。
元々頭痛持ちですが、ここのところずっと頭が酷く痛くてたまらず、特に寒いとどんどん痛みが強くなるようなので、寒さから来ている頭痛の側面もあるのかな、と…。今年は稀に見る世界的大寒気の年だそうでして、世界中の気温が低下しているそうです。一刻も早く春が来て欲しいと思って、ストラヴィンスキーの「春の祭典・ペトルーシュカ」を聴いていました。以前紹介したピアノ盤(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1080755.html)ではなく、オーケストラ盤、エリアル・インバルがフィルハーモニーを指揮する1000円の廉価盤です。インバルの指揮がとても良い名盤です。
春の祭典は素晴らしいですが、それと同時に、併録されている「ペトルーシュカ」も素晴らしいなと思いましたね…。春の祭典ほど派手ではありませんが、聴き手の心情を打つドラマティック(劇的)な音楽ということではこちらの方が上かなと思いましたね…。ペトルーシュカは筋も面白いので、筋を考えながら見ると更に楽しい音楽です。人気漫画「ローゼンメイデン」のおそらくは元ネタのひとつであろう名バレエ曲ですね。
ペトルーシュカは命を吹き込まれた人形達同士の愛と戦いを描く性格悲劇でして、僕はアニメで「ローゼンメイデン」を最初に見たときに、『ああ…ペトルーシュカだなぁ…』と思ったことを覚えていますね…。「ペトルーシュカ」は悲劇ですが、悲劇のままで終わらない謎に満ちた終わり方、悲劇的な死を遂げた人形ペトルーシュカの死霊が現われ、人形達に命を吹き込んだ魔術師(ローゼンメイデンで言うところの魔術師ローゼン)すらおびやかすという、謎の終わり方をするところが面白いなあと思いますね。
悲劇的な死を遂げた死者の怨霊が現われて、悲劇を悲劇のままで終わらせない(もしくは新たな悲劇の引き金になる)というのは、ハムレットは言うに及ばずですが、クラシック音楽だとバルトークのバレエ音楽「中国の不思議な役人」とかそうですね。死霊が現われて、悲劇が悲劇として完結しない作品二つとして、指揮者ケント・ナガノがロンドン交響楽団を指揮してこの二つのバレエ音楽をカップリングした優れた盤がありますが、残念ながら現在絶盤ですね…。
「中国の不思議な役人」は、美人局に引っかかった中国の不思議な役人が殺されるのですが、この役人は美人局の片棒を担いだごろつき達に何度殺されても死なずに復活してくるんですね。見かねて美人局を仕掛けた娘がこの役人を抱いたら成仏したという物語です。悲劇でありながら、どこかしら陽気で明るくコミカルなストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」に比べると、バルトークが作曲したこちらはひたすら暗く不気味な音楽です。曲としての完成度は非常に高く、バルトークはこの曲を自曲のなかで最も気に入っていたという話ですね。
この世に実際には死霊はおらず、死んだ人は如何に無念があろうとも、死んだらそこで死人に口なしになってしまうことを考えれば、先に挙げた死霊が出てくる悲劇は、現実の世界より恵まれた世界を描いているなと思いますね…。死者の意向が世界に反映されるなら、世界は少なくとも今よりはマシなものになっていると思います…。
参考作品(amazon)
ストラヴィンスキー:春の祭典(ペトルーシュカ)
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ストラヴィンスキー:バレエ「ペトルーシュカ」 バルトーク:バレエ「中国の不思議な役人」
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昨日は頭痛が酷く、更新できずにごめんなさい。今日も今朝から頭の痛みが酷いのですが、頑張って書きます。
元々頭痛持ちですが、ここのところずっと頭が酷く痛くてたまらず、特に寒いとどんどん痛みが強くなるようなので、寒さから来ている頭痛の側面もあるのかな、と…。今年は稀に見る世界的大寒気の年だそうでして、世界中の気温が低下しているそうです。一刻も早く春が来て欲しいと思って、ストラヴィンスキーの「春の祭典・ペトルーシュカ」を聴いていました。以前紹介したピアノ盤(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1080755.html)ではなく、オーケストラ盤、エリアル・インバルがフィルハーモニーを指揮する1000円の廉価盤です。インバルの指揮がとても良い名盤です。
春の祭典は素晴らしいですが、それと同時に、併録されている「ペトルーシュカ」も素晴らしいなと思いましたね…。春の祭典ほど派手ではありませんが、聴き手の心情を打つドラマティック(劇的)な音楽ということではこちらの方が上かなと思いましたね…。ペトルーシュカは筋も面白いので、筋を考えながら見ると更に楽しい音楽です。人気漫画「ローゼンメイデン」のおそらくは元ネタのひとつであろう名バレエ曲ですね。
ウィキペディア「ペトルーシュカ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%AB
『ペトルーシュカ』 は、ストラヴィンスキーの三大バレエ音楽の一つ。おがくずの体を持つわら人形の物語で、主人公のパペットは命を吹き込まれて恋を知る。ペトルーシュカ(ピョートルの愛称)は、いわばロシア版のピノキオであり、悲劇的なことに、正真正銘の人間ではないにもかかわらず真の情熱を感じており、そのために(決して実現しないにもかかわらず)人間に憧れている。(中略)
魔術師が動かない、命のない3つのパペット――ペトルーシュカ、バレリーナ、荒くれ者のムーア人)――を取り出す。魔術師は横笛を吹いて魔法をかける。命を与えられたパペットたちは、小さな舞台から飛び出して、ぎょっとしている市場の通行人の中で踊り出す。今や生きた人形たちは、激しいロシア舞曲を踊る。(中略)
ペトルーシュカは見世物小屋の幕の陰で気の滅入るような生活を送りながら、バレリーナ人形に思いを寄せている。むっつりとした表情の魔術師の肖像画が、ぼんやりと浮き上がって見える。まるで、ペトルーシュカはただの人形で、人間と同じでないのだから、従順で謙抑であるべきだとでも言いたげに。だがペトルーシュカは腹を立て、魔術師のにらみ顔に拳を食らわす。
ペトルーシュカは人形だが、人間的な感情があり、老魔術師に対しては囚人のような気持ちを、美人のバレリーナには恋心を抱いている。ペトルーシュカは自分の小部屋から逃げ出そうとするが果たせない。
バレリーナが入って来る。ペトルーシュカは思いを告げようとするが、バレリーナはペトルーシュカの哀れっぽい口説き文句をはねつける。ペトルーシュカは魔術師につれなく扱われると、バレリーナはムーア人といちゃつき始め、哀れなペトルーシュカの感じやすい心を打ちのめす。(中略)
ムーア人は、ペトルーシュカと違って、贅沢三昧の部屋で楽しくヴァカンスを過ごしている。
すると、ムーア人のスマートな見た目に惹かれたバレリーナが登場し、魔術師によってムーア人の部屋の中に入れられる。バレリーナが小粋なふしを奏でると、ムーア人が踊り出す。
ペトルーシュカは、とうとう小部屋を破り抜け、ムーア人の部屋に向かって行く。魔術師はペトルーシュカに、バレリーナの誘惑を邪魔させる。ペトルーシュカはムーア人に体当たりするが、自分が小柄で弱いことを思い知らされるだけだった。ムーア人はペトルーシュカを打ち負かしただけでは満足せずに、ペトルーシュカを追い廻し、ペトルーシュカは命からがらその部屋から逃げ出して行く。(中略)
お祭り騒ぎが頂点に達し(かなり時間が経ってから)、人形劇場から叫び声が上がる。突然ペトルーシュカが、刃物を手にしたムーア人に追い立てられて、舞台を走りぬける。ムーア人がペトルーシュカに追いついて斬殺すると、人だかりが凍りつく(ここでムーア人は、人の心の苦しみに無常で冷淡な世間の暗喩となる)。
市場の警官は老魔術師を尋問し、ペトルーシュカの遺体のおがくずを振って取り出し、ペトルーシュカがただのパペットであるとみんなを納得させ、平静を取り戻してはどうかともちかける。
夜の帳が降りて群集も掻き消え、魔術師はぐにゃぐにゃしたペトルーシュカのむくろを担ぎながら去ろうとすると、ペトルーシュカの死霊が人形劇場の屋根の上に現われ、ペトルーシュカの雄叫びは、いまや怒りに満ちた抗議となる。ただ独り取り残された老魔術師は、ペトルーシュカの亡霊を目の当たりにして、恐れをなす。魔術師は慌てて逃げ出し、わが身の不安を感じて怯えた表情を浮かべる。場内は静まり返り、聴衆に謎を残したまま閉幕となる。
ペトルーシュカは命を吹き込まれた人形達同士の愛と戦いを描く性格悲劇でして、僕はアニメで「ローゼンメイデン」を最初に見たときに、『ああ…ペトルーシュカだなぁ…』と思ったことを覚えていますね…。「ペトルーシュカ」は悲劇ですが、悲劇のままで終わらない謎に満ちた終わり方、悲劇的な死を遂げた人形ペトルーシュカの死霊が現われ、人形達に命を吹き込んだ魔術師(ローゼンメイデンで言うところの魔術師ローゼン)すらおびやかすという、謎の終わり方をするところが面白いなあと思いますね。
悲劇的な死を遂げた死者の怨霊が現われて、悲劇を悲劇のままで終わらせない(もしくは新たな悲劇の引き金になる)というのは、ハムレットは言うに及ばずですが、クラシック音楽だとバルトークのバレエ音楽「中国の不思議な役人」とかそうですね。死霊が現われて、悲劇が悲劇として完結しない作品二つとして、指揮者ケント・ナガノがロンドン交響楽団を指揮してこの二つのバレエ音楽をカップリングした優れた盤がありますが、残念ながら現在絶盤ですね…。
「中国の不思議な役人」は、美人局に引っかかった中国の不思議な役人が殺されるのですが、この役人は美人局の片棒を担いだごろつき達に何度殺されても死なずに復活してくるんですね。見かねて美人局を仕掛けた娘がこの役人を抱いたら成仏したという物語です。悲劇でありながら、どこかしら陽気で明るくコミカルなストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」に比べると、バルトークが作曲したこちらはひたすら暗く不気味な音楽です。曲としての完成度は非常に高く、バルトークはこの曲を自曲のなかで最も気に入っていたという話ですね。
この世に実際には死霊はおらず、死んだ人は如何に無念があろうとも、死んだらそこで死人に口なしになってしまうことを考えれば、先に挙げた死霊が出てくる悲劇は、現実の世界より恵まれた世界を描いているなと思いますね…。死者の意向が世界に反映されるなら、世界は少なくとも今よりはマシなものになっていると思います…。
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