2010年01月21日 07:40
エジプトでバステト女神(猫の女神)の像が発掘、可愛い猫の女神像ですね。バステト女神の神話について。
エジプトの神々 (Truth In Fantasy)
古代エジプトうんちく図鑑
バステト女神の像、可愛い猫の像ですね。2200年以上前から、猫が可愛がられていたことが分かります。猫と人間のパートナー関係は、約一万年前のキプロス島にまで遡ると言われており、猫は犬と並んで人間にとって最古のパートナーなんですね。
今の猫は一万年にも及ぶ人間との生活によって遺伝子レベルですっかり人に慣れていますが、昔、猫が野生だった頃は、知能が高く警戒心の強い肉食獣である猫を飼いならすのはとても大変だったようで、猫の女神バステト神が出て来る古代エジプト神話にはそれが反映されていると言われていますね。
豊饒を司るバステト女神の前身は、戦いの神セメクト女神であったとされています(バステト女神自身は愛の女神ハトホルとも同一視される)。エジプト神話によると、遥か古代のエジプトにおいて、太陽の化身、創造神ラーは、堕落した人間達を罰する為に、自らの右目から戦いの神、雌獅子の女神セクメトを生み出しました。セクメトはエジプト神話の中でも最強を謳われる戦いの女神であり、人間と戦って人間の数を減らしまくりました。セメクトの強さが圧倒的過ぎて、このままでは人間がいなくなってしまうと、慌てたラーを始めとする神々は、人間との戦いを止めるようセクメト女神を諌めますが言うことを聞いてくれません。セクメト女神は強すぎるので神々の力ではセクメトを止められません。
セクメト女神を実力では止められない神々は一計を案じました。ビールに赤土を混ぜて、セメクト女神の好きな血の色に似たビールを作り、それに眠り薬を入れてセクメト女神に振舞いました。眠り薬入りのビールを飲んだセクメト女神はぐうぐう寝てしまいました。この展開は日本の神話「ヤマタノオロチ退治」との類似点を比較神話学より指摘されており、各国神話の共通点から、神話を物語の根底的な元素とする説の大きな論拠になっています。
お酒を飲んで眠ってしまったセクメト女神から、戦いの力を生み出す負の感情、怒りの感情を創造神ラーがとり除き、それによってすっかり性格が変わって穏やかな女神として生まれ変わったセクメト女神が、猫の女神バステト女神であると言われています。なかなかよく出来ていて面白い神話で、僕の好きな神話ですね。この神話は、雌ライオン・野生の獰猛な猫=セクメト女神、人間と一緒に暮らすようになった猫=バステト女神という形で、野生の猫を飼いならして一緒に暮らすまでの大変さを描いているとも言われますね。
一万年前の遥か古代から、野生の猫を飼いならして一緒に暮らす努力が続けられたおかげで、今、猫は人間にとって犬と並ぶもっとも重要なパートナーとして一緒に生活できている訳でして、古代エジプトの人達の努力に猫と暮らしているものとして感謝ですね…。飼い猫は古代エジプトより全世界に広がったとされていまして、今、日本含めて世界中で暮らしている猫達の血の中に古代エジプトの血が入っている可能性は高いとされています。確かに、うちの猫(日本猫です)が前足そろえてキリッとしているときの顔と姿、エジプトっぽいなあって思いますね…。
参考作品(amazon)
エジプトの神々 (Truth In Fantasy)
古代エジプトうんちく図鑑
比較神話学の鳥瞰図
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エジプトで猫の姿の女神発掘 プトレマイオス朝で初(像の写真あり)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010011901000892.html【カイロ共同】エジプト考古最高評議会は19日、同国北部アレクサンドリアの神殿遺跡から、古代エジプト・プトレマイオス朝の王、プトレマイオス3世(紀元前246〜同221年)時代とみられる猫の姿をした女神「バステト」の像を発掘したと発表した。
バステト女神の像、可愛い猫の像ですね。2200年以上前から、猫が可愛がられていたことが分かります。猫と人間のパートナー関係は、約一万年前のキプロス島にまで遡ると言われており、猫は犬と並んで人間にとって最古のパートナーなんですね。
今の猫は一万年にも及ぶ人間との生活によって遺伝子レベルですっかり人に慣れていますが、昔、猫が野生だった頃は、知能が高く警戒心の強い肉食獣である猫を飼いならすのはとても大変だったようで、猫の女神バステト神が出て来る古代エジプト神話にはそれが反映されていると言われていますね。
豊饒を司るバステト女神の前身は、戦いの神セメクト女神であったとされています(バステト女神自身は愛の女神ハトホルとも同一視される)。エジプト神話によると、遥か古代のエジプトにおいて、太陽の化身、創造神ラーは、堕落した人間達を罰する為に、自らの右目から戦いの神、雌獅子の女神セクメトを生み出しました。セクメトはエジプト神話の中でも最強を謳われる戦いの女神であり、人間と戦って人間の数を減らしまくりました。セメクトの強さが圧倒的過ぎて、このままでは人間がいなくなってしまうと、慌てたラーを始めとする神々は、人間との戦いを止めるようセクメト女神を諌めますが言うことを聞いてくれません。セクメト女神は強すぎるので神々の力ではセクメトを止められません。
セクメト女神を実力では止められない神々は一計を案じました。ビールに赤土を混ぜて、セメクト女神の好きな血の色に似たビールを作り、それに眠り薬を入れてセクメト女神に振舞いました。眠り薬入りのビールを飲んだセクメト女神はぐうぐう寝てしまいました。この展開は日本の神話「ヤマタノオロチ退治」との類似点を比較神話学より指摘されており、各国神話の共通点から、神話を物語の根底的な元素とする説の大きな論拠になっています。
お酒を飲んで眠ってしまったセクメト女神から、戦いの力を生み出す負の感情、怒りの感情を創造神ラーがとり除き、それによってすっかり性格が変わって穏やかな女神として生まれ変わったセクメト女神が、猫の女神バステト女神であると言われています。なかなかよく出来ていて面白い神話で、僕の好きな神話ですね。この神話は、雌ライオン・野生の獰猛な猫=セクメト女神、人間と一緒に暮らすようになった猫=バステト女神という形で、野生の猫を飼いならして一緒に暮らすまでの大変さを描いているとも言われますね。
一万年前の遥か古代から、野生の猫を飼いならして一緒に暮らす努力が続けられたおかげで、今、猫は人間にとって犬と並ぶもっとも重要なパートナーとして一緒に生活できている訳でして、古代エジプトの人達の努力に猫と暮らしているものとして感謝ですね…。飼い猫は古代エジプトより全世界に広がったとされていまして、今、日本含めて世界中で暮らしている猫達の血の中に古代エジプトの血が入っている可能性は高いとされています。確かに、うちの猫(日本猫です)が前足そろえてキリッとしているときの顔と姿、エジプトっぽいなあって思いますね…。
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