2010年01月09日 19:16

新作アニメ「デュラララ」「おまもりひまり」視聴。おまもりはそこそこですが、デュラララの出来酷すぎ…。

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新作アニメ「デュラララ」「おまもりひまり」二作品の第一話視聴。「おまもりひまり」は、女性キャラクター達の巨乳がむやみに強調されているありがちな平凡お色気アニメでして、ごくごく普通の出来です。「デュラララ」の出来は酷すぎる…。完全な駄作アニメにされており、原作小説のファンは怒っていいレベルだと思います。

「デュラララ」は、とてつもなく退屈で見ているのが苦痛になってくる主人公のモノローグがだらだらと延々と続く上に、作品の流れを考えていない構成が酷い出来です。主人公の冗長なモノローグが見ているだけで退屈で苦痛なんですが、更にその上、流れをぶった切ることこの上ないだらだらしたチャットシーンの挿入などが、見ている方に非常な退屈感を齎します。全体的に驚くほどテンポが悪く、酷く退屈なシーンの連続で、今まで映像作品を作ったことのない素人の集まりがこのアニメを作っているのかと…。例えばチャットシーンなら、攻殻機動隊で使われたチャットシーンのように、チャットの台詞と実際に起きていることを同時で流すとか、何か工夫がしてあれば良いのですけど、この作品にそういった工夫は何もなく、『何も考えずに原作小説をだらだらと映像化しました』としか言い様のない最悪の映像化作品になってしまっています。原作小説のファンではない僕でさえ、「これはひどい」と心から思わざる得ない映像化の出来ですので、原作者・原作ファンは怒り心頭ではないでしょうか…。

少し映像論の話をしますと、映像描写というのは、同時並列して出来事が起こっているというのが当たり前なんですね。例えばA・B・C・D・Eという五つの出来事が映像の中で同時に起きていて、Aから引き起こされるA+、Bから引き起こされるB+、…C+、D+、E+という出来事が映像の中で同時に起きていて…みたいに、同時に色んな出来事が起きているのをある程度俯瞰した立場から纏めて描くのが映像描写のセオリーなんです。お色気アニメとして並の出来であるおまもりひまりでも、そこら辺のテレビドラマでも、これは映像描写の初歩の初歩として当たり前にやっていることです。映像媒体(映像描写)は文字媒体(文字描写)と違い、出来事を俯瞰して同時に纏めて描くというのを得意とするんです。

例えば、おまもりひまりで、『ヒロインAが主人公とイチャついているのを目撃したヒロインBが嫉妬してプンスカしている』という映像は同時に起きている出来事として纏めて映すわけです。文字媒体と違い、一画面に同時に複数の出来事を映して纏められるというのが、文字媒体が持たない映像媒体ならではの大きな強み、文字媒体よりも現実性(複数の出来事が同時に起きている現実の時系列)に近づけることの出来る映像媒体のアドバンテージ、映像描写ならではのテンポの良さなのです。

けれど、「デュラララ」の場合は、この同時並列して出来事が起きているというのが全く描けておらず、「Aという出来事からA+という出来事が起きる」と言ったような、単一の因果関係の事象しか描けていないんですね。結果、物凄く情報量が少なくテンポが悪くダラダラした作品となってしまっている。映像作品を作っているという意識が作り手に欠けており、結果、小説のあらすじを画面にだらだらと垂れ流しているのと大して変わらない作品となっている。小説(文字媒体)なら自分の読む速度で読んでゆけますが、デュラララのアニメだと「物凄く遅い速度で表示される小説のあらすじを読む」といったような苦行と化していて、「これはひどい」以外の言葉はでません…。

「デュラララ」、これは全くお勧めできない作品です。「おまもりひまり」は、可もなく不可もなくといったような出来ですが、お色気アニメ好きには良いのではないでしょうか。お色気アニメとしてはそこそこ丁寧に作られていると思います。あと、どこかで見た絵柄だなあと思ったら、原作漫画の作者さんがエロ漫画家の的良みらんさんだった…。十年ぐらい前に結構読んでいた漫画家さんなので、今回のアニメ化おめでとうございます。昔読んだ的良みらんさんの緋牙刻とかエロ漫画の枠組の中で物語展開を頑張っていましてなかなか面白かったですね。

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