ねこねこブログ

ねこねこと申します。ねこ大好き(*^^*)アニメ、マンガ、ゲーム、本とかも大好きです。楽しいことたくさん書いていきたいと思います。今、うつ病で無職で生活が非常に貧困困窮しておりまして、買い物してくださるととても感謝します。メールについてはこちらをご覧下さい。リンクフリーです。ツイッターはこちらです。https://twitter.com/kemohure

アマゾンギフト券をお贈りいただき心からありがとうございます。生活に困っていたので本当に助かります…。

アマゾンギフト券をお贈り頂き心からありがとうございます。生活に困っていたので本当に助かります…。お金を使わないように図書館で借りた本を読むぐらいしかしていなかったのですが、何かしらほかのことをやる気力が頂けた気持ちです。心から感謝致します…。

以前ご紹介したフリーゲームの傑作、「風雲相討学園フラット」の続編がいつのまにか出ていたんですね。早速プレイしてみたいなと思います。

「風雲相討学園フラット2」
http://www.geocities.jp/negativegang/flat2.html

自分の近況なんですが、週一回程度の頻度で図書館行って本の貸し出しと返却をして、帰りがけにスーパー等で日用品と食料を買う以外の外出を一切していない為か、かなり強度の不眠症に悩まされています。二週間に一度、病院にも掛かっているんですが、耳鳴りも併発している上に睡眠薬が効き辛いタイプの不眠症らしく、薬を飲んでもたいして眠くならないんですね…。薬を飲んで多少眠くなっても、眠れるところまでゆかず、何とか眠れても、二時間程度で目が覚めてしまうんですね…。身体を横にしているだけで休養になるとのことなので、目が覚めても横になっていることが多いです…。眠れないで横になっている時は三好豊一郎の詩「囚人」とか思い出しますね…。

三好豊一郎

「囚人」

真夜中 めざめると誰もいない――
犬は驚いて吠えはじめる 不意に
すべての睡眠の高さにとびあがろうと
すべての耳はベットの中にある
ベットは雲の中にある
孤独におびえて狂奔する歯
とびあがってはすべり落ちる絶望の声
そのたびに私はベットから少しずり落ちる
私の眼は壁にうがたれた双ツの孔
夢は机の上で燐光のように凍っている
天には赤く燃える星
地には悲しげに吠える犬
(どこからか かすかに還ってくる木霊)
私はその秘密を知っている
私の心臓の牢屋にも閉じこめられた一匹の犬がほえている
不眠の蒼ざめたvieの犬が

強度の不眠症には日中に外を歩いたり運動したりして太陽の光に当たると良いらしいのですが、季節柄非常に寒いこともあって、なかなか外出する気力が生まれなくて…。近いうちになんとか頑張って必要時以外にも外に出てみようと思います。

本当に重ね重ね、ギフト券ありがとうございます。アマゾンのアフィリエイトは毎月の収入が少なすぎて(このブログはユニークアクセス300程度でしてアフィリエイトは一月5000円以下です)、二ヶ月に一度支払われる形(5000円以下だと繰越になり総額5000円以上にになった時点で支払いが行われる)なので、ほとんど生活の足しにならず、ギフト券を贈って頂けると本当に生活が助かり、深く感謝します…。

三好豊一郎詩集 (新・日本現代詩文庫122)三好豊一郎詩集 (新・日本現代詩文庫122)
著者:三好豊一郎
土曜美術社出版販売(2015-04-10)
販売元:Amazon.co.jp

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「殊能将之 読書日記 2000-2009」読了、素晴らしい衒学趣味随筆集。メタパロディ衒学ミステリの超傑作「転落少女と36の必読書」を思い出しましたね…。

殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow

殊能将之さんがオフィシャルサイトで書かれていた文章を纏めた随筆集「殊能将之 読書日記 2000-2009」読了。澁澤龍彦さんを彷彿とさせるような深く広い衒学趣味に満ちたエッセイの数々が堪能できる良書でした。二階堂奥歯さんの日記と同じく衒学趣味的ブックガイドとしても素晴らしい。既にネット上ではサイトが完全消滅しているため、このように紙の本として出してくれたことは本当にありがたいですね…。

伊藤計劃さんがオフィシャルサイトで行っていた映画評もサイトの消失によりネット上では全部読めなくなっておりますが、早川文庫にて全て出版されておりまして、こちらの全映画評も以前読みましたがとても面白かったです。

殊能将之さんや伊藤計劃さんや二階堂奥歯さんなど今は亡き文筆家のネット上で発表された優れた文章が、ネット上のデータが消失することで永遠に失われることを思うと(二階堂奥歯さんのネット日記「八本脚の蝶」は今もネット上で読むことが可能ですが、私は本で買いました)、紙の本に対する信頼というものを深くしみじみ感じますね…。

八本脚の蝶
http://oquba.world.coocan.jp/

紙の本は、デジタルデータと違い物質的存在なので、ネット上のデジタルデータのように突然消滅して二度と手が届かなくなるということは基本的にないという信頼感がある。勿論、本自体を破損や紛失することはありますが、その場合はもう一度購入したり図書館で借りたりという営みでリカバーできる。出版社は、ネット上の優れた文章が、作家の不慮の死去などで失われた場合などには、なるべくリカバーして、紙の本として出版してほしいなと思います…。

殊能将之さんの作品は、「黒い仏」が代表するように、ミステリーの生真面目な「ルール」を、より上位から覗き込むことで可笑しみとして味わうというところがあって、その上位者がニャルラトホテプだったりするので、前回のエントリ(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1919302.html)でご紹介した「呪われた人魚姫」などのクトゥルフ物に通じるところがありますね。その辺のエスプリが随筆(読書日記)でもたっぷりと味わえて、読んでいて実に楽しい本でした。殊能将之さんの随筆って、本当に澁澤龍彦さんの気ままに書いているときの衒学趣味全開の随筆に似てて、読んでいてほっとしますね。澁澤龍彦さん的随筆は、自分にとってはほっとするような馴染み深いものなんだなと気づかされました…。

殊能将之さん的な可笑しみを追求したメタ・ミステリとしては、有名な古典の作品名が付けられた各章がそれぞれ古典からサブカルチャーまであらゆる作品の無数の引用で散りばめられていながら、実はその引用の大半は虚構という「騙してくれたなあ!よくも騙してくれた!!」なメタ・パロディ衒学趣味・ミステリ「転落少女と36の必読書」が凄く面白かったですね。こんな感じです…。

『幸福なんて日向ぼっこをしている猟犬みたいなものだ。我々がこの世に生まれるのは、幸せになるためでなく、信じがたいことを体験するためだ』それは偶然にもパパのお気に入りの言葉の一つだった。コールリッジの言葉だけど、パパが聞いたら引用を台無しにしているとハンナに指摘しただろう。(中略)

パパが示した反応は、古代ローマ皇帝クラウディウスが西暦五四年に不穏な噂を耳にした時と同じだった。その噂というのは、愛する妻のアグリッピナが夫を毒殺しようと企て、夫の寵愛している宦官に毒入りのキノコ料理を運ばせようとしている、というものだった。でも、なぜか喰らうディウスは身に迫った破滅の兆しを無視した。「皇帝伝」(スエトニウス著 一二一)。パパも同じことをしたのだ。(中略)

スウィジンはその最後の作品、死後に出版された「いずこへ 一九一七」(一九一八)で述べている。「その結論とは、一般に『故郷』という名で知られる執拗で感傷的な熱病を完全に克服するのは不可能らしい、ということだ」
(マリーシャ・ペスル「転落少女と36の必読書」)

この本はとにかくもう、引用文のパッチワークで出来ていて、ページのうち80〜90%ぐらいが引用文でひたすら引用のパッチワークが続いたりするんですね。で、読んでいるとどう考えてもおかしい。あまりにも物語に都合の良い引用文のパッチワークの羅列で物語が展開していく…これはもしや、引用文は全部物語に都合よく書かれたフェイク(偽物)!

もう読んでいて「騙してくれたなあ!よくも騙してくれた!!」って感じですよ。書名や人名は大物(本物の書名や人名)が多いですが、その引用は全部偽物なんですね。ソーカルの偽論文「境界を侵犯すること:量子重力の変換解釈学に向けて」そしてソーカルの名著「知の欺瞞」をより大掛かりにして細分化したようなメタ衒学趣味小説なんです。

ウィキペディア「ソーカル事件」
ソーカル事件とは、ニューヨーク大学物理学教授だったアラン・ソーカル(Alan Sokal、1955年-)が起こした事件。数学・科学用語を権威付けとしてでたらめに使用した人文評論家を批判するために、同じように、科学用語と数式をちりばめた無意味な内容の疑似哲学論文を作成し、これを著名な評論誌に送ったところ、雑誌の編集者のチェックを経て掲載されたできごとを指す。掲載と同時にでたらめな疑似論文であったことを発表し、フランス現代思想系の人文批評への批判の一翼となった。

1994年、ニューヨーク大学物理学教授だったアラン・ソーカルは、当時最も人気のあったカルチュラル・スタディーズ系の評論雑誌の一つ『ソーシャル・テキスト』(Social Text)に、『境界を侵犯すること:量子重力の変換解釈学に向けて』(Transgressing the Boundaries: Towards a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity)と題した疑似論文を投稿した。

この疑似論文は、ポストモダンの哲学者や社会学者達の言葉を引用してその内容を賞賛しつつ、それらと数学や理論物理学を関係付けたものを装っていたが、実際は意図的にでたらめを並べただけの意味の無いものであった。ソーカルの投稿の意図は、この疑似論文がポストモダン派の研究者によってでたらめであることを見抜かれるかどうかを試すことにあった。

疑似論文は1995年に受諾され、1996年5月発行のにソーシャル・テキスト春夏号にそのまま、しかもポストモダン哲学批判への反論という形で掲載された。当時同誌は査読制度を採っておらずこうした失態を招き、編集者は後にこの件によりイグノーベル賞を受賞している。また後に査読制度を取り入れた。

「疑似論文」に用いた数学らしき記号の羅列は、数学者でなくとも自然科学の高等教育を受けた者ならいいかげんであることがすぐに見抜けるお粗末なものだったが、それらは著名な思想家たちが著作として発表しているものをそっくりそのまま引用したものだった。この「疑似論文」は放射性物質のラドンと数学者のヨハン・ラドン(Johann Radon)を混用するなど、少し調べると嘘であることがすぐ分かるフィクションで構成されている。(中略)

ソーカルの悪戯は、『一般向けのジャーナリズムと専門家向けの出版界に嵐のような反応を引き起こし』、 ニューヨークタイムズの一面に載ったほか、ヘラルド、ル・モンドなどの有力紙で報じられた。

その後、1997年、ソーカルは数理物理学者ジャン・ブリクモンとともに『「知」の欺瞞』(Impostures Intellectuelles、「知的詐欺」) を著し、ポストモダニストを中心に、哲学者、社会学者、フェミニズム信奉者(新しい用法でのフェミニスト)らの自然科学用語のいいかげんな使い方に対して批判を行った。

この本でソーカル達はジャック・ラカン、ジュリア・クリステヴァ、リュス・イリガライ、ブルーノ・ラトゥール、ジャン・ボードリヤール、ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ、ポール・ヴィリリオといった著名人を批判した。

彼らの多くはフランスのポスト・モダニストであるが、これはポスト・モダニストのみが科学知識を乱用していることを意味しない。ソーカルによれば、ソーカルにできるのはポスト・モダニストの批判だけだったので彼らを批判したのである。他の分野も同様に批判して欲しいという依頼を、その分野の周辺や若手の評論家達から受けることがあるが、『これは我々(=ソーカルとブリクモン)の手には余る』行為であった。

ソーカルのこのような一連の行動に対し、文芸批評家・法学者のスタンレー・フィッシュは学術論文のでっちあげには破壊的な影響があるなどと反発した。 しかし、ソーカルの真意は思想家が数学や物理学の用語をその意味を理解しないまま遊戯に興じるように使用していることへの批判だった、と後にコメントしている。

学術論文とは違い、明らかに「エンターテイメントなパロディ」として衒学趣味を洒落のめしている本書は読んでいると、偽と分かっていても、偽の引用文の数々が凄く面白くて、全て偽物だって分かっているのについつい引用の数々を夢中で読んでしまう。本書は権威主義や文芸教養や衒学趣味を思い切り風刺しているメタ・ミステリなんですが、それだけでなく、偽物の衒学趣味を語りつくすことで衒学趣味の面白さというものもまた最高度に見事に語りつくしている『衒学大辞典(偽)』みたいな怪しげなメタ・ミステリなんですね。日本で言うと筒井康隆の「乱調文学大辞典」「欠陥大百科」とか清水義範の「世界文学全集」に近い感じですね。ヤマザキマリさんの「プリニウス」とかも彷彿とさせますね。

ヤマザキマリ
「もちろんプリニウスは『偉大な博物学者』ですが、それだけでなくて『偉大なほら吹き』でもある。総じてかなりお茶目な人物だったはずです」

とり・みき
「その好奇心のあり方が、なんだか男の子っぽい。嘘だと分かりつつシャレで喋っていることも多分あるよね(笑)」
(ヤマザキマリ、とり・みき「プリニウス1」)

ちなみにこの本はアメリカで大ベストセラーになりました。アメリカ人の読書層って凄いなと思いましたね。この本は、私のような衒学趣味者でパロディ大好きなパロディスト向けに完全特化している高度に捻くれたメタパロディ小説なので(相当に広範な衒学趣味がないと無数のパロディのネタが分からない)、これの面白さが分かる人が大勢いるというのは、アメリカの読書層っていうのは相当に捻くれた高度なメタパロディ衒学趣味小説の面白さが分かる人がベストセラーになるぐらい大勢いるってことで、凄く驚きました。2006年のニューヨークタイムズ選出のベスト5小説にも選ばれてもいるんですね。こういう現代文学の洒落の果ての極致みたいな小説がベストセラーとか、アメリカの読書層の計り知れない深さと広がりを感じましたね…。

まさしく「パロディ」は、その分野のなかでの作者と読者の知恵くらべという様相を帯びるし、「教養を持たざるものを排除する性格を持つ」「いささか偏屈な知性に由来するもの」(呉智英「現代マンガの全体像」)であることが実感できよう。そして、このような遊戯が可能となるためには、作品をある程度突き放して見ること、単なる知識、情報として見る冷静さが要求される。信仰の篤いキリスト教徒には「聖書」のパロディはできないだろう。
(浅羽通明「天使の王国」)

作者のマリーシャ・ペスルは一九七七年、アメリカのミシガン州生まれ。三歳のときに両親が離婚し、妹と共に母親のもとで育った。母親は大変な読書家で、娘たちが子供の頃から西洋の古典を読み聞かせていたという。ペスル自身、インタビューで「ゴシック小説やヴィクトリア朝時代の小説をたくさん読んで育った。最も影響を受けたのはナボコフで、『ロリータ』は何度も読み返し、読むたびに新たな発見をした」と語っている。
(マリーシャ・ペスル「転落少女と36の必読書」訳者あとがき)

この本の作者のマリーシャ・ペスル(女性作家です)はこの本が処女作なのですが、日本だと有名な無数の古典の名前で権威付けしながら、それら古典等からの引用の全てが完全な偽物引用のパッチワーク小説とか、筒井康隆クラスの大物じゃないと出版すらできなさそうです…。本書は残念ながら日本では売れませんでしたが、非常に面白いメタ小説です。最高にお勧めですね。このブログを読んで下さっている皆様でしたら、きっと楽しめる小説と思います。

さて、電話で、パパは自分の質問に自分で答えた。小さいけど耳障りな声が受話器越しに伝わってきた。

「我々には、物事の真の本質がまったくみえていないからだ」
(マリーシャ・ペスル「転落少女と36の必読書」)

転落少女と36の必読書(上)転落少女と36の必読書(上)
著者:マリーシャ・ペスル
講談社(2011-11-16)
販売元:Amazon.co.jp

転落少女と36の必読書(下)転落少女と36の必読書(下)
著者:マリーシャ・ペスル
講談社(2011-11-16)
販売元:Amazon.co.jp

殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow
著者:殊能 将之
講談社(2015-06-25)
販売元:Amazon.co.jp

殊能将之 未発表短篇集殊能将之 未発表短篇集
著者:殊能 将之
講談社(2016-02-11)
販売元:Amazon.co.jp

「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用 (岩波現代文庫)
ハサミ男 (講談社文庫)
黒い仏 (講談社文庫)
八本脚の蝶
Running Pictures―伊藤計劃映画時評集〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
Cinematrix: 伊藤計劃映画時評集2 (ハヤカワ文庫JA)
伊藤計劃トリビュート2 (ハヤカワ文庫JA)
乱調文学大辞典 (角川文庫)
筒井康隆コレクションIII欠陥大百科
普及版 世界文学全集〈第1期〉 (集英社文庫)
普及版 世界文学全集〈第2期〉 (集英社文庫)
天使の王国―平成の精神史的起源 (幻冬舎文庫)
プリニウス(5): バンチコミックス45プレミアム

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フリーゲーム「呪われた人魚姫」とクトゥルフ神話的時間。時間を超越した存在と時間に縛られる人類種、小林泰三「大いなる種族」

超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)

今回は前回の「呪われた人魚姫」エントリ(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1919217.html)の続きです。本作「呪われた人魚姫」の非常に優れた点として、時間の概念がきちんとクトゥルフ神話的であることがあげられます。クトゥルフ神話の特徴は、茫漠と続く果てしない時間と空間において、人間一人の一生は儚く、同じように人類種ホモ・サピエンスの歴史もまた一瞬であり儚いということが挙げられるんですね。

呪われた人魚姫
http://www.freem.ne.jp/win/game/13438

荒俣宏
「ラヴクラフトの書いているいろんな小説のパターンというのは、だいたい宇宙からいろんな生物が、まあその生物を彼は「旧人類」(旧支配者)と呼ぶわけですけれども、それが地球に入植してきて、なんらかの関係で――主として地球の地殻変動ですが、その辺は生物学的というか進化論的だと思うんですけど、とにかくそれによってうまく入植できてしまうけれど、地殻変動によって死滅していくという展開になります。(中略) 次々に(地球において覇権を握る種の)世代が交代していくというパターンで、その路線が人間まで(人間が滅んだ後の次々の種まで)つながっている」
(ユリイカ「ラヴクラフト」より「荒俣宏・笠井潔対談」)

この辺をきっちり描いている現代クトゥルフ神話作品というのは実は結構少ないんですね。本作はその点をきちんと描けている作品であることは特筆すべきことでしょう。本作においては、生命活動を外部から破壊されない限り不死であるディープ・ワン(深きもの)と、寿命により死を免れぬ人間(人類種)の決定的な差異を「時間感覚」として捉えている。これはラヴクラフトの原典に非常に近い発想で見事としか言いようがありません。

本作において、ディープ・ワンがやろうと思えば人類を壊滅させたりできるのにも関わらずあまり動かないこと、本作の中で、ディープ・ワンと人間の混血(ダゴン秘密教団)と、人間達が戦い後者が勝って前者を殲滅したのに、なぜディープ・ワンは人間に復讐したりしないのかについて、不死であるディープ・ワンと、死の定めに支配され、いずれは滅びるであろう人類種では、時間感覚が全く違うことを挙げている。

数千万、数億の年月を生き続ける不死の存在にとってみれば、人類種は地上にいつのまにか蔓延っているが、数千か数万の年月が経てばまた地上から全て消え去っているであろう塵芥に過ぎないことが明かされている。ゆえに、人類種とは時間感覚が全く異なる彼らにとっては、人類が今滅びようが数千年後に滅びようが数万年後に滅びようがたいして違いがないゆえに、人類はクトゥルフの眷属達から放置されているのだと語っていて、まさにこれはクトゥルフ神話の醍醐味だと感じましたね。

クトゥルフ神話の根源はまさにこれで、人間の生が数十年であり儚いように、人類種の種としての寿命も儚いもの(長く見積もっても数百万年。実際にはもっと短いでしょう。人間は技術によって自分の種を自分から急速に滅亡させられる自滅ができるので、今後もし不測の事態が起これば数百年、数千年すら危うい)であり、不死にして超越的な高次元存在(クトゥルーやアザトースやニャルラトホテプのような存在)や人間と物理的に同次元にいるが不死であったり時間を超越したりしている存在(ディープ・ワンやイースの大いなる種族)からしてみれば、いつのまにか地上に蔓延りいつのまにか消えている無数の種族の一つに過ぎないのですね…。

この惑星(地球)が経てきたほとんど知られていない茫洋たる歴史において、人類が、高度に進化した支配種族の一つ――おそらくは最小の種族――にしか過ぎないということなのだ。
(H・P・ラヴクラフト「時間からの影」「ラヴクラフト全集3」より)

ラヴクラフトの原典の中で既に人類種はたいして長続きしない地球の無数の覇権種族のうちの最小(この最小はおそらく種の寿命のことと思われる)の種族の一つに過ぎないって語られているんですね。この圧倒的な無常観を考えると、クトゥルフ神話で人類種が英雄的に振る舞うヒロイック・ファンタジーな展開をやっている作品は「虚しい…」って気持ちにどうしてもならざるを得ないですし、逆に本作のようにこの無常観を物語から醸しだしている作品は、クトゥルフ神話の真髄、メメント・モリを感じて良い作品であると感じますね…。

ちなみにこの「人類種を含む地球の無数の種の絶滅による種族交代の果てしない繰り返し」はラヴクラフトがクトゥルフ神話の基底として埋め込んだものなので、ここから脱するというのは凄く難しいんですが、この、ラヴクラフト神話の基底に挑んだ作品が日本にはあるんですね。それは、以前取り上げました「超時間の闇」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1910576.html)に収録されている小林泰三さんの「大いなる種族」です!!
超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)
著者:山本 弘
創土社(2013-11-07)
販売元:Amazon.co.jp

この作品は、クトゥルフ神話の中でもエポックメーキングな作品だと個人的には思っていて、先に挙げた「人類種を含む地球の無数の種の絶滅による種族交代の果てしない繰り返し」における人類種の役割を「最小の種族」という点はそのままに(時間の流れの中で人類の滅亡は避けられない)、それでいて見事にクトゥルフ神話全体を上手くひっくり返したような形で、人類と言う存在が、アザトースらと同じように、ある意味の永遠の中に入ることが出来た世界を描いています。イースの大いなる種族と人類との関係を描いた小説作品の中において最高傑作だと思いますね。「大いなる種族」はぜひご一読をお勧めする、「呪われた人魚姫」と並んで見事なクトゥルフ神話作品です。「大いなる種族」は小林泰三さんの初期傑作「酔歩する男」の続編にもなっているので、「酔歩する男」を読まれたお方々にもお勧めです。

青空文庫 「時間からの影」(H. P. ラヴクラフト The Creative CAT 訳)
http://www.aozora.gr.jp/cards/001699/files/57342_57668.html
「時間からの影」の他に「超時間の影」とも訳されています。たしかコリン・ウィルソンの訳にあった「時からの投影」というのも、「と」音の頭韻(←これも頭韻だ)が好みです。「チャールズ・ウォード」を訳しながら、こちらもなんとか訳してみたいと思っていました。
 
同じ主題を繰り返しながら、最後の一文目がけてじわじわとサスペンスを盛り上げる手法が最高です。そればかりではなく、「ああ自分もイースの円錐生物になって図書館に籠り、永遠に本を読み宇宙と時間の果てのことを知りたい」と思うのは私だけではないでしょう。時代閉塞の昨今、このようなコンテンツを最後まで読まれた方もきっと同じなのではありませんか?

ラヴクラフトは、自身も読書家であったゆえに、図書館のシステムや図書館の司書さんや図書館に通う人々(読書家の人々)にはそこはかとない好意を抱いていたようで、延々と宇宙的な図書館に篭って宇宙の始まりから終わりまで存在し続けて永遠の読書と研究に種族生命を捧げている「イースの大いなる種族」にはその辺のラヴクラフトの気持ちが反映されていると言われるので、「時間からの影」「大いなる種族」を読むときはその辺のことも頭に入れながら読むとより楽しめると思います。

超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)超時間の闇 (The Cthulhu Mythos Files)
著者:山本 弘
創土社(2013-11-07)
販売元:Amazon.co.jp

玩具修理者 (角川ホラー文庫)玩具修理者 (角川ホラー文庫)
著者:小林 泰三
角川書店(1999-04)
販売元:Amazon.co.jp

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))
ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))
ラヴクラフト全集 (3) (創元推理文庫 (523‐3))
ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))
ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)
ラヴクラフト全集〈6〉 (創元推理文庫)
ラヴクラフト全集7 (創元推理文庫)
ラヴクラフト全集〈別巻上〉 (創元推理文庫)
ラヴクラフト全集〈別巻 下〉 (創元推理文庫)

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クトゥルフ神話RPGの大傑作「呪われた人魚姫」ご紹介。「アーカム計画」等を彷彿とさせる原典とTRPGを見事に発展させた良質なRPG!

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

正月そうそう、風邪気味で生活費も切り詰めておりあまり調子がよくないです…。寒いので皆さんもお体にお気をつけ下さい。今回は、クトゥルフ神話RPGの大傑作「呪われた人魚姫」をご紹介しますね。前回のエントリでも軽く触れましたが、この作品は極めて優れた傑作でして、ついにネットの色々なところで取り上げられ始めて、ふりーむのDLランキングも現在TOPを独走しておりますね。本作には優れた前作「黒山羊と幸福の姫」があるのですが(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1892117.html)、それを更に発展させてシナリオ・バトル・システム・遊びやすさなどあらゆる面でパワーアップさせた大作が本作と言えると思います。

呪われた人魚姫
http://www.freem.ne.jp/win/game/13438

黒山羊と幸福の姫
http://www.freem.ne.jp/win/game/10456

本作「呪われた人魚姫」は、「インスマスを覆う影」「ダゴン」「クトゥルフの呼び声」等のクトゥルフ神話の原典及びクトゥルフTRPGに準拠して、現代を舞台に壮大なコズミック・ホラーを描き出すクトゥルフ神話RPG。クトゥルフ作品に出てくる「ダゴン秘密教団」がメインテーマになっているんですが、極めて精緻に原典に沿った形を発展させてシナリオにしているため、ラヴクラフティアンがプレイすると全編通して思わずニヤニヤしてしまうことを抑えられないでしょう。良い意味でマニアなラヴクラフティアンが製作した作品という感じです。クトゥルーな終わり方とか思わずニヤリ。

勿論、物語だけでなく、あらゆる面が前作より遊びやすくなっているんですね。特に良くなったのが戦闘でして、本作の戦闘の大きな特徴は「戦闘バランスの調整が丁寧」なことと、「ヒトコロスイッチ」の導入です。前作と本作は両方とも「回復手段が有限」というシステムを導入しており、戦闘バランスは前作はかなり高めで、回復アイテム稼ぎのために雑魚を延々と狩るとかしないときついところもあったんですが、本作はバランスが極めて丁寧に調整してあり、普通にプレイしていけば、最後までクリアできると思います。ただ、スキルの「挑発」「大防御」「駆け回り手当」及び「呪文」各種は全員に覚えさせていないと一部のボス戦闘で詰む可能性があるかなとは思いました。

ただ、そんな詰み防止措置として本作にはアイテム「ヒトコロスイッチ」が実装されており、これは使うとどんな敵だろうと(ボスだろうと裏ボスだろうとやりこみボスだろうと)、一撃で全滅させる無限使用可能な究極アイテムです。どんな状況下でも「ヒトコロスイッチ」で逆転できるので、いざとなったらこれを使えば詰みはありません。本作は大きく分けて三通りの展開(三人いる仲間候補のうち、誰を仲間にするかで展開が色々変わってくる)が楽しめるので、一周目は普通にスイッチを使わずにクリアして、2週目からはスイッチを使用して気楽にプレイがお勧めですね。

キャラクターもとても魅力的で、本作のように原典を重視するクトゥルフ作品は、ややもすると、よく言えば重厚、わるく言えば堅苦しく重苦しい作品になってしまうこともあるんですが、本作は前作からさらにパワーアップした魅力的なキャラクター達のフレンドリーな掛け合いが楽しく、クトゥルフ神話の重苦しさを上手く中和して親しめる作品にしている。アトラスの「ペルソナ」シリーズとか彷彿とさせますね。

また、物語自体は非常に本格的なクトゥルフ物で、話がどんどん壮大に広がっていくところとか、クトゥルフ物の傑作「アーカム計画」とかプレイしながら思い出していましたね。人間は万物の霊長などといっておごり高ぶっているが、それこそ、地球規模から見ればちょっとした地殻変動などでも、人類全体があっさりと壊滅してしまうくらい脆弱な、地表にへばりついている存在に過ぎず、地球規模の災厄から見れば、それは路傍の石ころのようなものなのだ、というクトゥルフ神話の根幹的主題「宇宙的恐怖」を、上手くシナリオに反映させている。個人的にはクトゥルーエンドが凄く良かったですね。まさにクトゥルフ神話って感じでしたよ!

驚異と栄光に包まれながら永遠に其処でダゴンやクトゥルフに奉仕し続けるだろう。世界が滅びるまで…。

………(中略)………

貴方たちは永遠に取り返しのつかない選択をしたよ。その報いは想像を遥かに上回る絶望となって降りかかる!
(呪われた人魚姫)

クトゥルフ神話の最大の特徴は、アンチ・ヒロイックなことなんですね。それはヒロイック・ファンタジー的な「勇者が世界を救う」とは対極にある世界観。人間が如何に動こうとも、地球規模、そして宇宙規模の災厄の前では何をしても何の意味もない、何にもならないのだという、世界に対する正確な認識を重視する世界観なのですね。本作はその点が凄く良く描けていて感服致しましたね。この点においては、クトゥルフ要素は大きいながらもヒロイック・ファンタジー的な方向に大きく引きずられているペルソナシリーズよりも、よりクトゥルフ神話の原典に本作の方が近いと言えると思いますね。

笠井潔
「世界はどんどん合理化されていくという近代の力を、いわば認めまいとして、もうひとつの異世界というか、ワンダーランドというかな、そういうものをつくりあげようとする水準からいったんそれを全部認めちゃった上で、その裏側のところを引っくり返して出していくというふうな、そういう怪奇小説の歴史の中の新しい水準というのはラヴクラフトがつくったんじゃないかなという気がしますね」

荒俣宏
「そうですね。トールキンだとか、あるいはいまファンタジーだといわれている異空間と(クトゥルフ神話が)ぜんぜん違うところはその辺なんですね。あれ(トールキン等のファンタジー)はどんどんどんどん(現実世界と幻想世界が)離れていくから、つまりお互いにお互いを影響するということはまずないわけだけども、ただ影響されるとしたら、そのどっちかに、あるいは両方にまたをかけて、人間がどっちかを選択すればいいだけの話なんだけど、ラヴクラフトなんかがつくっていった異次元あるいは異世界というのは、ぜんぜん思想を異にしているんですね。

自分がなにをやろうが必然的にその世界(クトゥルフ神話)へ巻き込まれていってしまう世界。こういう一元性をもつ点がラヴクラフトの小説で非常に特異な点だと思う。(中略)

(ヒロイック・ファンタジーにおいては)人間がある意味の力を発揮できるんですね。人間がある意図のもとになにかをやれば、少なくともそれは、その世界の中ではある影響を及ぼすという構図になっているわけだけれども、ラヴクラフトの中は全然そうじゃない。人間は何をやっても徹底的にだめな存在だ。だから、ただひたすら恐がっているだけで、ただ恐がっているだけの存在を一生懸命書いたというのは、あれはちょっとすごいと思うんですけどね。

つまり彼の場合はあらゆる怪物の限定条件というものをみんな取っ払って、とにかく宇宙は飛べるわ、昼でも夜でもかまわずやってくるわ、古代でも太古でも未来でも全然関係なくやってくるわ、たとえそれがどんな状態にあっても、とにかくその気になれば、いつでもなんかできる、という状態になっている。(中略)

ラヴクラフトがなにやっているかといえば、宇宙の無目的性について説く。あの人はすぐアインシュタインとド・ジッターが出てくるんですけどね。つまり、宇宙のマクロのレベルでは地球というのは大したことなくて、どうせフラフラフラフラしている状態であるから、我々は何をやってもしようがないんだ、という話をえんえんとやっている。(中略)

たとえば、(ラヴクラフトは)ニューヨークとかボストンの地下鉄なんかも喜んで描いている。ボストンの地下鉄の中にさえ怪物が出てくるという構造にどんどん入れ替わっていっちゃう、というところが非常にアメリカ的だと思うんですけどね。そのポイントというのが、彼とヨーロッパの、あるいは世紀末に出てきた幻想文学の基本路線と外れている根本的な問題点だと思うんですね。(中略)

ラヴクラフトにとってはイデアというものは全くなくなっているという、イデアのぶちこわしの運動であると思う」

笠井潔
「逆イデアになっているんだよな」

荒俣宏
「それは大きな要素だと思いますね。ラヴクラフトを読んでて、ものすごくなんか殺伐とした感じがする原因のひとつはそのへんにあると思いますね」

笠井潔
「(ラヴクラフトの小説には)いるのかな、善い神様ってのが」

荒俣宏
「いや善神というのは、あまりラヴクラフトの段階では出てこないですね」

笠井潔
「人間を守ってくれるような超自然的な力ってのはないわけだ」

荒俣宏
「人間を守ってくれる力という意味では、だから自然の気粉れだけなんですね。そういう意味ではある意味の神性なんだけれども……」

笠井潔
「人格的に分離されてはいない」

荒俣宏
「人格的にはないですね」

笠井潔
「それが全然ないっていうのは面白いな」

荒俣宏
「そういう点ではラヴクラフトなんか徹底的に突き詰めた人なんではないですか。逃げは一切打たなかったと思う。で、愛は信じていなかったからね。あの人(ラヴクラフト)については」

笠井潔
「愛で救われた主人公って一人もいないもんね」(中略)

荒俣宏
「ラヴクラフトの書いているいろんな小説のパターンというのは、だいたい宇宙からいろんな生物が、まあその生物を彼は「旧人類」(旧支配者)と呼ぶわけですけれども、それが地球に入植してきて、なんらかの関係で――主として地球の地殻変動ですが、その辺は生物学的というか進化論的だと思うんですけど、とにかくそれによってうまく入植できてしまうけれど、地殻変動によって死滅していくという展開になります。(中略)

次々に(地球において覇権を握る種の)世代が交代していくというパターンで、その路線が人間まで(人間が滅んだ後の次々の種まで)つながっている」
(ユリイカ「ラヴクラフト」より「荒俣宏・笠井潔対談」)

この惑星(地球)が経てきたほとんど知られていない茫洋たる歴史において、人類が、高度に進化した支配種族の一つ――おそらくは最小の種族――にしか過ぎないということなのだ。
(H・P・ラヴクラフト「時間からの影」「ラヴクラフト全集3」より)

こういう、クトゥルフ神話の原典に近いゲームがやれるのは、本当にフリーゲームならではの醍醐味ですよね。クトゥルフ神話って元来「世界に対する正確な認識を重視するアンチ・ヒロイックの物語」ですから、元々あまり大衆受けはしない系統のシェアード・ワールドなんですね。大きく大衆受けする物語と言うのはどうしても「ヒロイック・サーガ(善が勝ち悪が敗北する英雄物語)」の方向になりますから…。クトゥルフ神話の、人間の決めた善悪を超えた地球的、そして宇宙的な災厄の前では人間の営為は全く意味を為さないという暗い諦念に充ちた世界観をきちんと継承した本作のような作品を、開発費が年々膨れ上がっている商業コンピューターゲーム業界できちんとやるのは中々難しい状況と思います…。

クトゥルフの原典にきっちりと沿った新しいクトゥルフゲームというのは、まさに本作「呪われた人魚姫」のように、個人や少人数制作の良い意味で趣味的なゲーム製作から生まれてくるんだろうなと、プレイしていて感じましたね…。

「呪われた人魚姫」、ラヴクラフトの世界観に魅惑を感じる者として、最高に素晴らしい作品でした!ぜひプレイをお勧めする大傑作です!!

最後に余談ですが、本作ではハトホ姉さんとクリスFBI副長官の日米警察官コンビが一番お気に入りでした(ハトホ姉さんはおっとりした真面目で天然ボケなお姉さんのように見えてときどき冒涜的発狂するのが思わず吹く。名前からするとハトホル女神と何か関係があるのかな?)。ぜひ次回作では、ハトホ姉さんとクリス副長官と「黒山羊と幸福の姫」に出てきたロシアのフィグネリア捜査官で、日米露警察パーティーが組めるようにしてほしい!!両方の作品をプレイした方ならお分かりになると思いますが、水と油のような関係のクリス副長官とフィグネリア捜査官の会話が凄い見てみたいです!!

アーカム計画 (創元推理文庫)アーカム計画 (創元推理文庫)
著者:ロバート ブロック
東京創元社(1988-11)
販売元:Amazon.co.jp

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))

ラヴクラフト全集 (3) (創元推理文庫 (523‐3))

ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))

ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)

ラヴクラフト全集〈6〉 (創元推理文庫)

ラヴクラフト全集7 (創元推理文庫)

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あけましておめでとうございます。フリーゲーム・オブ・ザ・イヤー2016。S・ハンター「我が名は切り裂きジャック」読了。

我が名は切り裂きジャック(上) (扶桑社ミステリー)
我が名は切り裂きジャック(下) (扶桑社ミステリー)

2017年あけましておめでとうございます。自分はお金が無くて大変困っており、おめでたさを感じられる状況ではないのですが、全ての人になって少しでも良い年になってほしいと願いますね…。
フリーゲーム・オブ・ザ・イヤー2016
http://www.freem.ne.jp/special/project/31

新年の初ネットでは上記のフリーゲーム・オブ・ザ・イヤー2016を見たのですが、これは2015年12月21日〜2016年12月20日のふりーむDL数総集計なので、2016年の後半に出たゲームが集計的に不利で、全然ランキングに入ってないですね…。2016年のマイベストゲームは以前ご紹介致しました「芥花」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1918473.html)なんですが、ランキングに入っていない…。「芥花」は本当に稀に見る傑作なので、ぜひプレイして欲しい作品ですね。2016年後期に出た為にランキングに入っていないフリーゲームの傑作としては以前ご紹介した「バケモノハイツ」「待チ人来たる2」「祭囃子が鳴り止むまで」等の他にも「呪われた人魚姫」(優れたクトゥルフ神話作品です)とか「人間レンジ」(ショッキングホラー短編の秀作)とか「宵闇ノ影」(年末に出た優れたホラーサスペンス)など色々ありますね。2016年後期に公開されたランキング外の傑作は沢山あるのでご紹介していけたらいいなと思っています。

フリーゲーム・オブ・ザ・イヤー2016にランキングしている作品で、ブログで取り上げていませんが、プレイ済みの作品では「徒花の館」「妖刀伝」「朝溶けの魔女」「オロホスの夢」「ここからだして」「人格診断MV」「かわいそうなレイナちゃん!」「ウトピアの双眸」「Wolfarl.exe」はゲームコンプリートまで楽しくできたお勧めの傑作です。特にニーチェ的な遠近法の差異をテーマにした「ウトピアの双眸」と、フリーゲームならではのグロテスクショッキングショートショートホラー(先に挙げた「人間レンジ」もこのジャンル)である「Wolfarl.exe」が面白かったですね。お勧めです。

ちなみに新年の過ごし方としては、昨日の午後11時頃からずっと、スティーヴン・ハンターの「我が名は切り裂きジャック」を年越しで読んでおりました。ある程度読んだら寝ようと思ったけど物凄く面白くて読むのが止まらなかった…。スティーヴン・ハンターは邦訳は全て読了している大好きな作家で、ボブ・リー・スワガーシリーズ、いわゆるスワガー・サーガも昔は大好きだったんですが、どうも近年のハンターは、エルロイ的な歴史と虚構を複雑に組み合わせ、歴史的事件の推理をメインに作品を作るという展開に、無理にボブ・リー・スワガーを混ぜてくるので、整合性や作品の流れにかなり無理がある感じで、読んでいてもあんまり夢中になれなかったんですね…。スワガー・サーガでやるならアクション大作の方が良いのに、歴史背景の緻密さやそこから生まれる謎とその謎解きの方に配分が取られて作品のバランスがどんどん悪くなっている。スワガー・サーガはスワガーやスワガーの血縁達が悪者をばったばったとなぎ倒して超無双してゆく無双アクション小説なのでワンパターンに陥りやすく、なおかつ最近のS・ハンターが重視している歴史的事件を推理していく要素と致命的に相性が悪いんですね…。

特にひどかったのが、ケネディ暗殺事件とスワガー・サーガを混ぜた「第三の銃弾」で、これはもうS・ハンターの作品の中でも退屈すぎてぶっちゃけ最下位クラスの出来ですし…。まあハンターは底力のある作家なので、最下位クラスでも結構面白く読ませてはくれるんですが…。ケネディ暗殺事件を舞台にした小説ではスティーヴン・キングの「11/22/63」の方がダントツに面白かった。

ちなみに余談ですが、スティーヴン・ハンターは共和党支持者で、しかもそれを作品内にある程度反映させてくる保守的思想の作家なんですね(基本的に弱肉強食、自助努力と銃火器による自衛より生まれる自由を重んじる作風)。スワガー・サーガの外伝である「ソフト・ターゲット」ではオバマ大統領をモデルにしたアメリカのリベラルな高官を仇役として超ボロクソに描いたりしています。ハンターとは逆に、リベラリスト作家(反弱肉強食、弱者や敗者にも優しい眼差しのある作風)であるスティーヴン・キングは民主党支持者で、トランプが当選したらもう終わりだ、ツイッターを止めてワンちゃんの写真をUPしたりするのも止めると言っていたほどの民主党支持者なんですね(ちなみにトランプが当選して少し経ったらまた何事もなかったかのようにツイッターを再開してワンちゃん写真もUPしてます…)。

https://twitter.com/stephenking

共和党支持の大ベストセラー保守作家の代表がハンターで、民主党支持の大ベストセラーリベラル作家の代表がキングなので、ハンターの「第三の銃弾」とキングの「11/22/63」は両方ともケネディ暗殺事件をメインテーマとしており、ある種、共和党対民主党アメリカ大作家間戦争みたいな感じでしたが、作品の出来としても巷の評価としてもキングの圧勝でしたね。作家間戦争では今のところキングに軍配が上がっておりまして、まあキングは年を取っても筆力が全く衰えない超人的作家なので、こんな超人王と比較されるハンターが気の毒にも感じるところです…。閑話休題。

「第三の銃弾」の次に出たスワガー・サーガの最新作「スナイパーの誇り」も「第三の銃弾」よりはマシだけど以前のような切れはない…。もうスワガー・サーガ(=無双アクション)の延命は止めて、スワガーと切り離したS・ハンターの作品が読みたいなと思っていたところに!

「今度のS・ハンターの新作『我が名は切り裂きジャック』はスワガー・サーガと関係のない19世紀イギリスの切り裂きジャック事件をテーマにした推理サスペンス」

と聞いて、おお!と思い早速昨日読んでみたら!

期待に応える傑作でした!大傑作と言ってもいいでしょう!!非常に面白いサイコ・サスペンス・ミステリーです。スワガー・サーガと何の関係もないので、無意味にアクション無双要素とか入れなくてよくなったのが本当に功を奏して、作品全体を高みに押し上げている!

新年の年越しの瞬間に切り裂きジャックが被害者を切り刻んでいるシーンを読んでいるのもどうかと思いましたが、そのようなことが頭に昇らなくなるほど、実に面白い、無我夢中で読める作品、S・ハンターの切れ味が再び完全に戻ってきたという感じですね!昨今のS・ハンターは完全にスワガー・サーガに縛られている感じなので(自由を何より重んじるリバタリアン的保守派の作家が自分の大人気シリーズに縛られるとは皮肉ですね…)、本作のように、スワガー・サーガとは関係のない自由に書ける作品の方が切れがあって良い小説になるように思います。私は昨今のスワガー・サーガより本作の方が圧倒的高評価ですね。

「我が名は切り裂きジャック」、サイコ・サスペンスとして傑出の出来、また19世紀イギリスの描写が何とも上手くて良いんですね。ぜひ予断なしにご一読お勧めできる傑作です。S・ハンターファンとして、また最高の切れ味とスリリングなテンポの良さを保った抜群に面白いハンター節が戻ってきて読んでいて楽しい。こんな感じです。

事件から五日が過ぎた今も、新聞はこのネタを紙面から外してはいなかった。夕刊紙と朝刊紙の両方がこの事件を追っているようだった。主要夕刊紙のスターとベルメル・ガゼットは単独犯仮説をさかんに主張していた。なぜかはおわかりか?明らかだろう。控えめな配達人によって配られる朝刊紙とはちがい、夕刊紙の売り子は、通りすがりの人々に手当たりしだい新聞を売らなくてはいけないからだ。それは、鉄道駅に向かっていたり、炭塵の舞う地獄のような職場からの帰り道であったり、軌道式の乗り合い馬車の到着を待っていたり、お楽しみや自己啓発のために一頭立て幌馬車で町に出かけていたりといった人々だ。そういう人々に売りつける新聞は、よりみだらで、より刺激的で、より性や血や破壊の色合いが濃いものでなくてはならない。ひとびとの、より根源的な本性に訴えなくてはならないのだ。

その一方、彼らが帰宅するころには、猥雑な妄想はすでに尽きていて、その下品な新聞自体は屑缶に詰め込まれてしまうようにしておかなくてはならない。そして、読み終えた男は、非の打ち所がなく道徳的であるふうをよそおい、感謝の祈りを捧げる心の準備をして家に帰り、連れ合いが義務的かつ愛情をこめて用意した肉とポテトの夕食にありつくというわけだ。

それとは対照的に、朝刊各紙は家に配達され、朝食の場で読まれることになる。殺傷事件やむごたらしい出来事は、それなりに控えて報じる必要がある。競争相手である夕刊紙より、かなり節度を守らなくてはならない。清浄な暖炉のわきに置かれた屑缶を穢すことがあってはならず、そのそばで遊んでいる幼児の心を、その子が七歳になって寄宿舎に送り込まれ、そこでの十年間で男色と鞭打ちの味を覚え、それに加えてギリシャ語に堪能になるまでは、穢すことがあってはならないからだ。
(スティーヴン・ハンター「我が名は切り裂きジャック」)

まさにハンター節全開で読んでて笑っちゃうんですが、本書は、切り裂きジャックと、ジャックを追う新聞記者の二人の視点から交互に物語を描いており、まさに上記が述べるところの朝刊(新聞記者の視点)と夕刊(ジャックの視点)の繰り返しみたいな感じで物語がとてもテンポ良く進むんですね。サスペンスに溢れたサイコ・スリラーの傑作、ぜひご一読をお勧め致しますね!!

我が名は切り裂きジャック(上) (扶桑社ミステリー)我が名は切り裂きジャック(上) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン ハンター
扶桑社(2016-04-30)
販売元:Amazon.co.jp

我が名は切り裂きジャック(下) (扶桑社ミステリー)我が名は切り裂きジャック(下) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン ハンター
扶桑社(2016-04-30)
販売元:Amazon.co.jp

スナイパーの誇り(上) (扶桑社ミステリー)スナイパーの誇り(上) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン・ハンター
扶桑社(2014-12-23)
販売元:Amazon.co.jp

スナイパーの誇り(下) (扶桑社ミステリー)スナイパーの誇り(下) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン・ハンター
扶桑社(2014-12-23)
販売元:Amazon.co.jp

第三の銃弾 (上) (扶桑社ミステリー)第三の銃弾 (上) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン・ハンター
扶桑社(2013-11-30)
販売元:Amazon.co.jp

第三の銃弾 (下) (扶桑社ミステリー)第三の銃弾 (下) (扶桑社ミステリー)
著者:スティーヴン・ハンター
扶桑社(2013-11-30)
販売元:Amazon.co.jp

11/22/63 上 (文春文庫 キ 2-49)11/22/63 上 (文春文庫 キ 2-49)
著者:スティーヴン・キング
文藝春秋(2016-10-07)
販売元:Amazon.co.jp

11/22/63 中 (文春文庫 キ 2-50)11/22/63 中 (文春文庫 キ 2-50)
著者:スティーヴン・キング
文藝春秋(2016-10-07)
販売元:Amazon.co.jp

11/22/63 下 (文春文庫 キ 2-51)11/22/63 下 (文春文庫 キ 2-51)
著者:スティーヴン・キング
文藝春秋(2016-10-07)
販売元:Amazon.co.jp

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村上隆氏のアニメ「シックスハートプリンセス」視聴。これが地上波放映されること自体が「現代アート」って感じですね…。良いお年を。

現代アートの日本最大の巨匠である村上隆氏が監督したアニメ「シックスハートプリンセス」視聴。年末最後に見たアニメがこれとは…。いやあ…。地上波商業アニメならスポンサーが激怒して放映されることなくお蔵入り決定しそうな出来でしたね…。この出来で放映されることを誰も止めなかったんですね…。村上隆さんは番組の最後に「見ての通り実験映画というか同人アニメ的なものになってしまいました」って言ってましたが、そのような言い草は実験映画や同人アニメにとても失礼な出来でしたよ…。というか、これどこがスポンサーやってるんだろう…。CMが東京MXテレビの宣伝しかなくて企業の提供表示も一切ないから、東京MXテレビがスポンサーなのかな…。番組中では現代アーティストが創設したシュウウエムラ化粧品が本作製作会社のスポンサー(本アニメのスポンサーかどうかは不明)の一つって言ってましたが、完全に現代アート繋がりですね…。

現代アートの巨匠村上隆氏が製作に関わったアニメということで本作が地上波放映された訳ですが、これが地上波放映されること自体が「現代アート」の本質を表していると思いました。現代アートって「大物現代アーティスト」がなんか適当にスケッチブックに落書きを書きなぐっても一億円とか値が付く世界のようですからね…。大富豪や大企業が資産の節税及び資産流動性を高めるために富豪層同士でお金をぐるぐるまわすためのガジェットなんですね、現代アートって…。お金なくて生活に困っている自分としてはあまりにかけ離れた世界でうらやましい世界です…。

お金なくて、お正月をどう過ごすか困っておりまして、もしよろしければ、amazonギフト券を贈って頂けたり致しますと、とても助かり感謝いたします…。

良いお年を…。

巨大化する現代アートビジネス巨大化する現代アートビジネス
著者:ダニエル グラネ
紀伊國屋書店(2015-07-16)
販売元:Amazon.co.jp

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年末にお勧めのフリーゲーム傑作選。「待チ人来たる2」「祭囃子が鳴り止むまで」「わんだーうぉーかぁず!」他。

年末ですね。今回は2016年に出たフリーゲームで年末年始によさげな短時間でさくっと楽しめる短編作品を幾つかご紹介致します。どれも良い感じの余韻が残る作品、年越しに楽しめるゲームと思います。

「待チ人来たる2」
http://www5f.biglobe.ne.jp/~yasuwo/MATI2/matitop.htm

以前ご紹介した館物ホラーサスペンスの傑作「待チ人来たる」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1879582.html)の続編。凝った館物の大作であった前作に比べると、ほぼ一本道になった短編ゲームですが、トリッキーな作風と考えて攻略するバトルは健在。意表を突くエンディングもあり楽しめました。エンディング1はドッペルゲンガーと超常的な女体化の組み合わせと考えればいいのかな…?

「祭囃子が鳴り止むまで」
http://cage1729.web.fc2.com/object/festival.html

これまた以前ご紹介した館物ミステリーの傑作「神林家殺人事件」(http://nekodayo.livedoor.biz/archives/1888725.html)の作者さんによる新作。さくっと楽しめる爽やかな青春冒険物であり、胸に良い余韻を残してくれる好短編です。

「何も事件は起こらなかった」
http://www.freem.ne.jp/win/game/13683

前述の「神林家殺人事件」の作者さんによる新作。登場人物達の心象風景を重視した作風で表題の意味を考えさせてくれる作品。短編ならではのアイデアストーリーです。

「わんだーうぉーかぁず!」
https://twitter.com/shichirinne

さくっと楽しめるノンフィールドRPG+トランプゲームの好短編。VIPRPGのにぎやかで楽しいアットホーム感がプレイヤーにも伝わってくるほのぼのした良作です。

「ラナのアトリエ エターなるラナ」
http://www.geocities.jp/viprpg2016gw/entry31.html

アトラスゲーを彷彿とさせる時間差ターンバトルが楽しい短編ほのぼのRPG。VIPRPGを舞台にしたシナリオはアトリエシリーズなどを彷彿とさせる感じで明るく、さくっとシナリオクリアもできますし、やりこみ要素も満載です。


「秒針は夢をみる」
http://clocktower-project.com/

単語を集めて物語の時間を進めていくシステムが面白い。また、物語自体も良くできていて楽しめる探索アドベンチャーです。


「おわりはものがたる」
http://www.freem.ne.jp/win/game/12689

戦略性に富みながらそれほど高難易度ではない適切な難易度のノンフィールドRPG。RPGにおける余計な要素を一切合切ばっさりはぎとった作品で、面白くプレイできました。


RPGツクール フェス - 3DSRPGツクール フェス - 3DS
角川ゲームス(2016-11-24)
販売元:Amazon.co.jp

2分間ミステリ (ハヤカワ・ミステリ文庫)2分間ミステリ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
著者:ドナルド・J. ソボル
早川書房(2003-11)
販売元:Amazon.co.jp

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大手まとめサイトとベンチャー企業とサイコパス。岸田るり子「月のない夜に」堀江貴文氏対清水鉄平氏的様相を描くサイコ・ミステリー。

月のない夜に

前回のエントリで取り上げた、大手まとめサイト「はちま起稿」が大企業DMMに買収され、再び「はちま起稿」運営者らが関わると見られるITベンチャー「インサイト」に再買収された件、深層は闇に包まれていますが、恐るべきことですね…。はちま起稿の創設者清水鉄平氏は、「はちま起稿」から発信する無数のデマ及び誹謗中傷によって、大手まとめサイト群を管轄するITベンチャー企業群のフィクサーとして絶大な地位を築いているというところが、本当に恐ろしいです…。

上記について報じるニュースを見て、岸田るり子さんのサイコ・ミステリー「月のない夜に」のことを思い出しました。本書は京都を舞台に、新進財界人であるとあるベンチャー企業の女社長がサイコパスであり、他者を貶め破滅させることで地位を獲得してゆき、他者を罠にかけてゆくことでのし上がり成功していくという作品でして、サイコパスを主役的立場に据えた作品として、貴志祐介さんの「悪の教典」よりも優れた作品と思います。本作は現在出版されている岸田るり子さんのミステリーの最高傑作と言えると思います。

「月のない夜に」小説としては面白く読めましたが、これは、小説ですからね…。様々な人々や企業、団体等をデマと誹謗中傷で貶め破滅させてきた「はちま起稿」とその創設者が、その行為によってのし上がり、日本のインターネットのアクセスの大半(大手まとめサイト群)を、大企業と共に支配する立場にいるという、先の小説がより邪悪で悪夢のような形になって現実になったような有様、暗澹とします。

先の小説「月のない夜に」が「悪の教典」より優れているところとして、「月のない夜に」は、構造が二重・三重になっているんですね。非常に上昇欲・権力欲が強く、なおかつサイコパスであり、良心は一切無いが、人を惹きつけ操るカリスマ性に長けた川井喜代という女性社長が、周囲を利用して、平然と殺人等も犯しながら京都の実業界で新進実業家として急速にのし上がっていく様がまずありまして、それと共に二重構造的に、彼女に支配され破滅していく周りの人々を群像劇として描いているんですね。ここまでは、「悪の教典」と似たような構成なのですが、このミステリーは、この女性が目論んだ犯罪計画が、周囲の人々の良心の働きなどで上手くいってないにも関わらず、実際に犯罪(殺人)が行われ、そしてそれによりこの女性がどんどんのし上がっていく、そのミステリーとしてもあるんですね。

この小説の女社長川井喜代は、堀江貴文氏的などんどん表舞台に出てゆくタイプのベンチャー企業経営者で、京都財界人との人脈作りと不動産経営や画廊経営によって成り上がっていく(周囲ではライブドアの重役でエイチ・エス証券副社長であり沖縄で死体で発見された野口英昭氏のような変死が多発する)んですが、だんだんそれが、「彼女が計画した殺人犯罪が上手くいってないのになぜか殺人犯罪が最後まで遂行される」という、ミステリーが現れてくる。

ここに、清水鉄平氏的な、インターネットの裏に潜んで人々を操り破滅させる恐るべきサイコパスの人物の存在がだんだん示唆されていくところが、ミステリーとして三重構造であり「悪の教典」よりも見事と感じたところです。本書は堀江氏的な財界の表舞台に立つことも辞さない実業家と、清水鉄平氏のように決して表には表れずネットの闇に潜んで、裏から人々を食い物にして奪いつくす恐るべき影の実業家の暗い戦いを描いているんですね。善良な人々を破滅させ喰らい尽くすサイコパス実業家同士のおぞましい喰い合いを描いた大変な傑作です。いわば堀江貴文氏対清水鉄平氏的な地獄の様相を描いた作品でして、昨今のサイコ・ミステリーの中でも傑出した作品だと思います。

彼女はもうすでにどうにもならないくらい狂っていたのです。

お金で成功するうちに、お金を儲けることで得られる快楽の中毒になり、それが、彼女の理性を蝕んでいったのでしょう。

喜代は元来良心のない冷酷な人でしたが、強靭な意志と理性のある人でした。冷徹な判断力が彼女の武器だったのです。

その判断力を失ってしまった彼女は、お金のためだったら、危険を顧みずにどんな残虐なことでもする狂気に取り憑かれてしまったのです。

いつ頃からでしょうか。

多分、片山考治の父親が亡くなった頃からです。

あの時、私がアリバイを証言したにもかかわらず、彼は妙なことを言っていました。父親を殺したのは自分ではない。病院を停電させることなど自分にはできない。犯人は別にいる、と。

もちろん喜代はそんな話を聞く耳は持っていませんでした。

その後、喜代の事業は何もかもが、彼女の思い通りに運んでいきました。そこで彼女は、何かを錯覚したのだと思います。自分の能力以上の力が自分にあると過信するようになったのです。欲望と客観的思考のバランスをなくした彼女は、何かがフェイクであるにもかかわらず、それを直視し、分析する能力を失ってしまったのです。

このフェイクについては、後ほど、お話ししますが、彼女の人生には、ある大胆なフェイクが潜んでいたのです。もちろん、私も、そのフェイクの正体に全く気づきませんでした。最初は小さくて目立たない存在でしたが、それはまるで寄生虫のように喜代の体の栄養を吸いつくして成長し、ついには喜代の肉体を突き破ってしまったのです。

そのフェイクに翻弄され、地に足の着かなくなった彼女は、もう自分の足下を見ることはできなくなっていました。そして、彼女の野心は際限なく膨れ上がっていったのです。彼女の目は、普段は死んだようにどんよりと濁っているのに、お金の話になると爛々と薄気味悪い光を放つようになりました。お金の魔力にすっかり取り憑かれていたのでしょう。しまいには、まるで生き霊のように私の目には映り、目を合わすのも恐ろしくなりました。
(岸田るり子「月のない夜に」)

この「月のない夜に」は小説ですから、「悪の教典」と同じく、善良な人々は権力を持つサイコパスの餌食にされて破滅するしかないであろうことを示唆する暗雲立ち込める終わり方でも、「小説の終わり」として読み終えることができます。

ですが、既に実業界に対して力を持たない堀江氏とは違い(余談ですが、決して表には出ず、裏から大手まとめサイト群を操ってデマ・誹謗中傷などによる情報操作を行い続ける清水氏より、少なくとも表舞台に出るという責任を果たし続けた堀江氏の方が遥かにマシだと感じます)、今現在も「はちま起稿」やその周辺大手まとめサイトが無数のデマや誹謗中傷を行い続けていること。それにより人々を苦しめ不幸にし、そのことによって、彼らが大きな利益・権力を得ていること、DMM等の大企業との繋がり、それらは現実に起きていることです。大手まとめサイト群は今もデマと誹謗中傷を撒き散らすことで情報を操作しアクセス数を稼ぎ大企業と結び権力と財力を得ている。彼ら大手まとめサイト群が力を持てば持つほど、より巨大な嘘がばら撒かれることになるのは自明であり、そして彼らの権力と財力とネットへの影響力は年々膨れ上がっています。

「贋作で儲けるだけ儲けたら、発覚するまでに、金で信用を買うまでのこと」

「そんなことできるん?」

「世の中に買えへんもんなんてあらへん。権威だってなんだって金で買えるもんなんや。行動のみや」

そう、金さえあれば、コマーシャリズムで嘘も本当にしてしまうことができるのだ。そのためには、人に考える余裕を与えてはいけない。なにごともスピーディに進める必要がある。

「嘘は大きければ大きいほど効果的なんや」

「なんでやのん?」

「せこい嘘は誰でも考えることやから、すぐに見抜かれてしまうけど、誰にも想像できひん大嘘は、人の想像力を超えるから、まさか嘘やと思わへんのや」
(岸田るり子「月のない夜に」)

清水鉄平氏ら大手まとめサイト群の上層に位置する人々は、大手まとめサイト群を使った複数のステルスマーケティング・デマ・誹謗中傷による情報操作に特化したフィクサーとして権力と財力を持ち更に仕組みを拡大し、大企業DMMなどとの関係をより深め地位を強固にしているという、私達の生きるこの現実で実際に起きていること、それはもう現実が小説を超えている事態であり、法規制は全く間に合っていない無法な状態のまま放置されている。本当に、日本のインターネットの現実は絶望的な状況に置かれていると思います…。暗澹とします…。

月のない夜に月のない夜に
著者:岸田るり子
祥伝社(2015-12-11)
販売元:Amazon.co.jp

悪の教典〈上〉 (文春文庫)悪の教典〈上〉 (文春文庫)
著者:貴志 祐介
文藝春秋(2012-08-03)
販売元:Amazon.co.jp

悪の教典〈下〉 (文春文庫)悪の教典〈下〉 (文春文庫)
著者:貴志 祐介
文藝春秋(2012-08-03)
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はちま起稿の運営がDMMであることが発覚。悪質なまとめサイトから消費者側が身を守るためにどうしたらいいのか考える。

はちま起稿を買収したDMM、元管理人・清水氏ら主要メンバーを雇用しステマ関与か 取材に対し隠蔽工作も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161228-00000083-it_nlab-sci
 冒頭で書いた通り、そもそもはちま起稿というサイト自体、無断転載(著作権侵害)やデマ拡散、偏向報道などの問題行為を過去に起こしてきた、いわゆる「悪質まとめサイト」の1つです。こうした「素行に問題のあるサイト」を、DMM.comという「企業」が運営していた、というコンプライアンスの問題がまず1つ。

 また、はちま起稿がこれまで数々の問題行為を起こしながら、特に大きな罪に問われなかったのは、「個人サイト」であり、「運営元がはっきりしない」という言い逃れの余地があったからとも言えます。しかし今後は、今まで謎に包まれていた「運営元」が明らかになったことで、これまでは見逃されてきた数々の問題の矛先が、全てDMM.comや、売却先のインサイトに向く可能性もあります。

 もう1つ大きなものは「ステルスマーケティング(ステマ)」問題です。DMM.comがはちま起稿を運営していたとなれば、はちま起稿を隠れみのにして、DMM.comが自社作品のステマ、あるいは他者作品のネガティブキャンペーンを行っていた可能性が出てきます。

はちま起稿は完全に大企業であるDMMの関連商品のステルスマーケティングと他のゲーム等に対する誹謗中傷や政治的プロパガンダに特化していましたが、まさにそれは完全に企業側の指示(DMM上層部からの指示)だった訳ですね…。悪質なまとめサイトが褒めている商品は一切買わないようにする、こういった悪質なまとめサイトを運営している企業の商品(今回はDMM商品)とは今後一切関わらないようにする以外、消費者側の防御方法が無いように感じます…。

あまりにも現代の日本のインターネットは、デマや誹謗中傷を目的とした大手まとめサイトやコピーサイト(企業が自動生成しているSEOに特化したコピーサイト・キュレーションサイト)が大量に野放し状態で、デマや誹謗中傷などで被害を受けた側が泣き寝入り状態になることが大半のように思います…。

ネットで個人もしくは企業、団体などが被害を受けた場合、ネット上の誹謗中傷やデマに対して警察に被害者が被害届を出すこと自体、ネット上の相手を突き止めるのが困難なため警察側が被害届の受理や捜査自体に乗り気ではなく、被害届を出してもそのままになってしまうように思います。

また大手まとめサイトの場合は、今回明らかになったように悪質な大企業が運営していたり、個人運営でもまとめサイト運営により莫大な利益を得ている富裕層が、横のつながりのある富裕層と共にグループで運営しているため、法的にも財力と権力のある相手側の方が圧倒的優位であり、民事でも損害賠償を求めるところまでゆくのは困難です。

日本もイギリスの「不公正取引からの消費者保護に関する規正法」のように、インターネットサイト(大手まとめサイト含む)がステルスマーケティング、デマ、誹謗中傷を行うことに対する刑罰を含んだ法規制を行うべきと思いますが、大手まとめサイトは基本的にほぼ100%、右派的で現政権親和的な政治スタンスであり、左派や野党に対するデマも含んだ攻撃的扇動が大手まとめサイトの商売の一つになっているので、法規制は自民党政権下では極めて難しそうに感じますね…。日本のネットの悪質な情報操作に対する規制は世界的にも最もゆるく、景品表示法での簡易なガイドライン(罰則も何も無い指針)しかないため、世界的にはそれこそやりたい放題の無法地帯になっています…。

ウィキペディア「ステルスマーケティング」
欧州連合においては、不公正商慣習一般を規制するため、不公正商慣習指令(英語版)("Unfair Commercial Practices Directive")が2005年に制定された。この指令に従い、イギリスでは、2008年に不公正取引からの消費者保護に関する規正法が施行されており、消費者保護の観点からステルスマーケティングは違法であると規定されている。

残念ながら現代の日本では消費者側の立場は非常に低いため、匿名掲示板からの引用で構成されているサイトはなるべく見ないように気をつける、もし万が一見てしまったら、逆にそこで勧められている商品は一切購入しないように気をつける、ぐらいしか消費者側の防衛方法はないと思います…。一刻も速く、日本にも欧米と同レベルのネット上での消費者保護の法規制が為されることを望みます…。

悪質商法のすごい手口―ここまで巧妙ならみんなだまされる!知っておきたい被害の実態と対処法悪質商法のすごい手口―ここまで巧妙ならみんなだまされる!知っておきたい被害の実態と対処法
徳間書店(2009-04)
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ASKAさんが新曲をユーチューブで発表されていますね。応援したくなりますね…。岸田るり子「めぐり会い」

ASKAさんが新曲をユーチューブで発表されていますね。以前の逮捕は誤認逮捕だったわけで、再起を賭けておられるんだなあと思うと、応援したくなりますね…。

FUKUOKA ASKA
https://www.youtube.com/watch?v=HAUTw5oPOwc
2016/12/24 に公開
コンプライアンスのため東京のスタジオを使用することができなくなった時、僕の前に道を拓いてくれたのが、ふるさと福岡でした。
NewAlbum「Too many people」の中から、「FUKUOKA」を聴いてください。  ASKA

ちょうどASKAさんと同じく、一世を風靡したミュージシャンが音楽活動において再起するという物語では、岸田るり子さんの小説「めぐり会い」が面白かったですね(Kindle Unlimitedに加入されている方は無料で読めます)。これは、非常に変り種のミステリーにしてラブ・ロマンスでして、数年前、「純愛小説ブーム」が巻き起こったときに、ラブ・ロマンス小説ジャンルとして発表された小説だったんですが…。

・主人公とヒロインが一度も会ったことのない全くの赤の他人で最後の最後まで出会わない

という変り種ラブ・ロマンスの上、作品内容は完全にミステリーで、最初から最後まで殺人の起きないミステリーとして面白い小説でした。ミステリーとしての構成的には同じく岸田るり子さんの「Fの悲劇」と一緒に読むと更に面白いかもしれません。ラブ・ロマンスとしてはかなり無理があるように思いますが、ミステリーとして読むと、なかなか面白い小説だと思います。本作のトリックは、SF作家の梶尾真治さんなら間違いなくSFの方向に着地させるところだなと思い、ミステリー作家とSF作家の物語の方向性の違いみたいなものを感じましたね。

私は日本のミステリー作家では、岸田るり子さんは折原一さんや宮部みゆきさんと並んで好きな作家さんです。岸田るり子さんは「宮部みゆき(女性作家特有の日常の細やかな描写)+京都+ヨーロッパ+芸術+密室+同性愛」みたいな、複数の要素を上手く融合して洗練させている感じが読んでいて楽しいです。お勧めの作家さんですね。アマゾンでレビュー見るまで気が付かなかったんですが、先日少し触れた「ランボー・クラブ」は「血の色の記憶」に改題されていました。

めぐり会い (徳間文庫)めぐり会い (徳間文庫)
著者:岸田るり子
徳間書店(2011-06-15)
販売元:Amazon.co.jp

めぐり会いめぐり会い
著者:岸田 るり子
徳間書店(2008-05-16)
販売元:Amazon.co.jp

Fの悲劇 (徳間文庫)Fの悲劇 (徳間文庫)
著者:岸田るり子
徳間書店(2012-05-15)
販売元:Amazon.co.jp

Fの悲劇【徳間文庫】Fの悲劇【徳間文庫】
著者:岸田るり子
徳間書店(2012-05-02)
販売元:Amazon.co.jp

密室の鎮魂歌(レクイエム) (創元推理文庫)密室の鎮魂歌(レクイエム) (創元推理文庫)
著者:岸田 るり子
東京創元社(2008-05-10)
販売元:Amazon.co.jp

血の色の記憶 (創元推理文庫)血の色の記憶 (創元推理文庫)
著者:岸田 るり子
東京創元社(2015-10-30)
販売元:Amazon.co.jp

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